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痛車でラリー! メロンブックスランサーの挑戦! 第13回

メロンランサー2009シーズンを総括!【動画あり】

2010年01月13日 18時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部

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ダートラとラリーに挑戦した1年

 2008年からメロンブックスのサポートを受けて始まった「メロンブックス・ラリーチャレンジ」。ホンダ シティを駆り、最終戦の新城ラリーで劇的な逆転勝利で痛車初の全日本ラリークラスチャンピオンに輝いた(関連記事)。

 そして、2009年。クルマはランサーエボリューション7へとスイッチし、ドライバーもラリー初挑戦となる浜選手に交代。コ・ドライバーはそのまま中村選手で挑んだ新シーズン。

 喜びも悲しみも苦しいこともいろいろあり、非常に中身の濃かったシーズンを、密着取材をした筆者と中村選手で振り返ってみた。そして最後には未公開だったインカービデオを公開したので、そちらもご覧になっていただきたい。

 なお、メロンブックス・ラリーチャレンジの2010シーズンはすでに動き始めている。今年は再びチャンピオンを狙っていくとのことなので、1戦たりとも見逃すべからず!

第1戦 大牟田 RASCAL SPRING TRIAL IN KYUSYU

 残念ながら、この日はミクZ4の鈴鹿戦と被ってしまったので筆者は取材には行っていない。なので詳しいことはわからなかったが、河村氏のレポートを見て、今年もメロンブックス・ラリーチャレンジは好成績を残せそうだ、と安心した記憶がある。

 2008年末に、中村選手から「来年はドライバーとマシンを変更して挑みます!」と聞かされたとき、チャンピオンに輝いた廣瀬選手が続投するならともかく、ラリー未経験者をメインドライバーに据えて戦うのは非常にリスキーだと思っていた。しかし、ダートラ出身の浜選手の走りを見ればそんな心配は杞憂だとわかる。この走りをラリーに応用できれば、きっと上位に食い込むに違いない、という希望を抱かせた1戦目であった。


中村選手が振り返る大牟田

 メロンブックス・ラリーチャレンジ2009、最初の参戦イベントとなったのがこの全日本ダートラ大牟田戦。チーム代表としては今年の模様を占う上でも、できれば上の順位でフィニッシュしてもらいたかった一戦です。でも、あまり攻めすぎてマシンを壊してしまったら元も子もない。ここは着実に2本のヒートを走ってもらって、結果は二の次でいい。そう考えながら望んだ一戦でした。

 ここ大牟田は埋立地にあるため、起伏が少なく平均スピードが高いことが特徴のコース。埃止めの散水を行なう際には、近隣の工場に配慮して大量に水を撒くことで有名な所です。今回も散水が行われたんですが、それまでガチガチの硬質路面だった所が、一転して田んぼのようなヘビーウェットに変化していました。さらに水分を吸着させる塩化カルシウムも多量にまかれる念の入れようで、路面はグチャグチャの上にヌルヌルという、非常に難しい局面になってしまいました。

 ダートラにおける浜選手の走りを見たのは、実はこのときが最初。クラスでも真ん中あたりを走れたら御の字だと思ってたんですが、ヒート1は軟質路面用タイヤを履いてクラス22番手と予想通りの位置につけてくれました。問題は散水がどのタイミングで入るかということだったんですが、幸いSA-2クラスの前までは散水は無し。ここで浜選手が自ら『萌えタイヤ』と呼んでいる硬質路面用のタイヤを投入し、ヒート2は勝負に出ることを選択しました。浜選手は硬質路面用タイヤでの走りに絶対の自信を持っていて、これまで好走したイベントはすべて硬質路面用タイヤを使っているんですね。ヒート2は見ているこちらがハラハラするほどの激走をみせてくれて、SA-2クラス4位を獲得。チーム2009として幸先の良いスタートを切ることができました。

第2戦 モンテカルロカップダートトライアル IN 広島

 筆者も初めてとなったダートトライアルの取材。皆、かなりのスピードで攻めており、案の定クラッシュが続出して、「こんなに激しいモータースポーツなのか!」と驚かされた。また、今となってはお馴染みのめろんちゃん(着ぐるみ)もここ広島が初登場。クルマもマスコットも来場者からは大人気で、徐々にラリーやダートラ競技の世界に新しい風を生み出しつつあるなと実感した。

 浜選手の走りを初めて見て、なんと限界まで攻める走りをするのだろうか、と感動。そして、クルマを降りたあとの好青年っぷりのギャップが面白かった。結果は残念ながらリタイアとなったが、どんな路面の状況でもクルマを手足のように操る浜選手に、期待が膨らむばかりであった。

 また、ラリーと同じく、ダートラも地元密着型イベントで、和気藹々としてて敷居が低かった。近くで開催されるのなら、足を運んでみてほしい。


中村選手振り返る広島

 チーム2009、2つ目の参戦イベントは浜選手の地元で開催される全日本ダートラ広島戦。地元開催ということでファンの皆さんからも期待された一戦だったんですが、なぜか浜選手は、ここタカタで開催される全日本イベントで好走した経験が過去に無いんです。ここでテクニックを磨いたはずなのに、不思議ですよね……。

 ここは前戦とは一変して、山地にあるために起伏があり、しかも林によって視界が遮られるため見通しが悪い。好タイムを出すには、見えないコーナーの先に向かって全開でアクセルを踏んでいく勇気が試されます。でもこういうコース状況って、次戦から控えるラリーでは頻発する状況なんですね。ですので私としては、次の「ラリー北海道」での戦術を考える上で、このタカタ戦でどういった走りを浜選手がしてくれるのか見極めようという思いがありました。

 このイベントはとにかく天候に泣かされた一戦で、ほんの10分前まで夏を思わせる陽気だったのに、いきなりスコールのような猛烈な通り雨が過ぎていったりして、タイヤチョイスに非常に悩んだイベントでした。ヒート1はクラス6番手を獲って午後からのヒート2に期待が持てたんですが、ヒート2のスタート直前にまたもや通り雨が! あわてて軟質路面用タイヤを抱えて、スタートを待つマシンの元に駆け寄ったんですが、残念ながらマシンはすでにコントロールエリアに入っていてタイヤ交換は叶わず。なので、マシンが奥のコーナーの向こうに消えたまま姿を現さなかった時は、てっきり路面に足をすくわれてクラッシュしたとばかり思ってました。

 次の「ラリー北海道」はどうしよう、こんな短い時間ではマシンは直らないよなあ……ところが、レスキュー車に引かれて戻ってきたマシンには、どこにも損傷が見られない!? 原因はエンジンコンピュータのカプラー抜け、つまり浜選手のチェックミス! 思わず浜選手に「蹴り」を見舞ってしまいましたね(笑)

(次ページへ続く)

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