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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 ― 第91回

楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」

2009年10月07日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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場所の記憶のおもしろさを
セカイカメラによって再現する

 人によって、セカイカメラに期待することはさまざまであるはずだ。僕は土地の記憶を残したり見つけたりする場になったらおもしろい、と思う。テレビ番組でその作業に触れられるとしたら、タモリの番組が一番わかりやすいんじゃないだろうか。

 10月からNHKで「ブラタモリ」という新しい番組が始まった。古い地図や行政区分、高低差に注目しながら東京都内を散歩する番組だ。同じタモリによるタモリ倶楽部でも放映されていた、地形的な歴史散策が展開される。

 普段何気なく通り過ぎている場所も、人によって見えてくるモノが違う。地形や地図に着目すると、過去にそこが海の底だったとか、川があったといった、現在は隠れてしまった「土地の記憶」にアクセスできる。ただそれは誰でも簡単にすぐできる、というものではない。

 そこで土地の記憶を見つける手段としてのセカイカメラの使い方はどうだろう。セカイカメラは写真や映像、テキストをエアタグに記録して空間に浮かべることで、アプリを通してみる実世界に情報を重ねることに成功している。もしここに、100年前の歴史や風景がタグとして配置されていれば、その場所に行きさえすれば、過去のタグを発見できるようになる。

 ブラタモリの番組中でなるほどと思ったCG表現があった。早稲田の空からの映像を、タモリさんのサングラスを通して見ると、100年前の田園風景が広がっているというものだ。さすがに100年前の写真や映像がどこにでも残っているわけではないが、テキストの情報ならポストすることも可能だろう。

 このように、土地の記憶に興味がある人がセカイカメラを使おうとする場合「歴史フィルター」と歴史に関する投稿が配置されていれば、簡単に見つけ出すことができるようになる。この「フィルター」もセカイカメラに搭載されている機能であるが、今後の情報環境にはとても大切なキーワードになるのではないだろうか。

筆者紹介──松村太郎

松村さん

ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET


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