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西田 宗千佳のBeyond the Mobile ― 第30回

シャープの新モバイル端末 NetWalkerを最速レビュー

2009年08月27日 13時30分更新

文● 西田 宗千佳

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モバイルインターネットツール NetWalker
シャープが発表した新モバイル端末「モバイルインターネットツール NetWalker」

 27日にシャープ(株)が、新しいモバイル端末を発表した。その名は「モバイルインターネットツール NetWalker」。9月下旬発売の予定である。今回は、発表に合わせて試作版を試用する機会を得たので、その速報レビューを披露したい。シャープが世に問う新ネット端末は、どのようなものだろうか?


コンパクトなUbuntuマシン CPUはARM系

 NetWalkerの外見は、同社の電子辞書に似ている。本体サイズはおおよそ16cm×10cmとほぼA6サイズ。重さは409g。キーピッチは14mmで、机の上に置いてもタイプできるが、ゲームパッドのように両手で抱えて使うのに向いたサイズといえる。

両手で持ち親指を沿えた状態 両手で持ち、キーボード上のボタンに親指を沿えた状態がNetWalkerのホームポジション

 このサイズでシャープのモバイル端末というと、「Linuxザウルス」こと「ザウルス SL」シリーズを思い出す。実際のところNetWalkerは、Linuxザウルスにかなり似た性格の製品である。CPUはARM系のFreescale i.MX515。OSもLinux系だ。

 ただし、NetWalkerとLinuxザウルスとは、性能がまったく異なる。時代の変化により、処理能力は大きく向上している。

 LinuxザウルスのOSが、あくまでPDA向けに“移植された”ものであったのに対し、NetWalkerのOSは、パソコン用とまったく同じ「Ubuntu 9.04」。搭載されているウェブブラウザーも、フル機能の「Firefox」である。よって当然ながら、「組み込み系ブラウザーなので見られないウェブサイトが多い」といった問題はない。Linuxザウルス時代には32MBから64MBしかなかったメインメモリーも、NetWalkerでは512MBまで増えたし、ディスプレー解像度も1024×600ドットと、ネットブック並みに広くなった。「CPUはAtomではないが、能力的にはPDAでなくパソコンと同等」、それがNetWalkerとLinuxザウルスを分ける大きな違いである、といっていいだろう。

 小型のモバイル端末というと、最近ではスマートフォンが主流だが、NetWalkerにはWAN系の通信は組みこまれていない。内蔵する通信機能は、IEEE 802.11b/gの無線LAN機能だけである。ただし、USBを使って各キャリアの通信アダプターを接続し、外出先で利用できる。現時点では、NTTドコモとソフトバンク、イー・モバイル、ウィルコムの4キャリアのUSB接続型端末へ対応を予定しているとのことで、どのUSB通信アダプターに対応しているかは、順次同社のウェブにて公開されていくという。ただしウィルコムの場合、PHS系ではなく、3G系のみのサポートとなる。今回筆者の手持ち機器では、イー・モバイルの「D02HW」での動作を確認できた。

5型ワイドのディスプレーはDS並みの広さ ニンテンドーDS Liteと並べて。5型ワイドのディスプレーはDS並みの広さがある

 Freescale i.MX515+ARM版Ubuntu、という組み合わせは、Atomを使ったネットブックの登場に刺激されて生まれたものである。Freescale社は、i.MX515+Ubuntuの組み合わせによるネットブックのリファレンスデザインを、今年の1月に公開している。シャープから言及はないものの、動作しているOSやハードウエアの内容から推察するに、NetWalkerはこの枠組みを使って開発された商品と見られる。

 とはいえ、NetWalkerはかなり「シャープ色」の強い商品に仕上がっている。5型ワイド/1024×600ドットという高精細液晶ディスプレーの存在は、いかにも「液晶のシャープ」らしいものだし、キーボードも同社の電子辞書に似たところがある。

 なによりNetWalkerのキャラクターを大きく左右しているのが、シャープオリジナルのフォントである「LCフォント」の搭載である。LCフォントは液晶ディスプレー上で見やすくなるように配慮されたフォントで、同社の携帯電話などでおなじみだ。それが、高解像度液晶+Ubuntuのフォントレンダリングと組み合わされることで、非常に見やすい画面を生み出す。

ウェブブラウズをした画面 NetWalkerで「Firefox」を使い、ウェブブラウズをした画面。文字がとにかくきれいで、非常に読みやすいのが特徴。もちろん、レイアウトなどのくずれもない

 スクリーンショットでもかなりのクオリティーであるが、実物の表示はよりインパクトがある。

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