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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第109回

ThinkPad Tablet 2は「Windows 8タブレット」の決定打か?

2013年01月31日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 今回試用するのは、レノボの「ThinkPad Tablet 2」。本連載でも注目しているインテルの「Atom Z2760」(Clover Trail)を搭載した、タブレット型Windows 8機の本命といえる製品だ。日本での個人向け出荷が1月末に延期され、ようやく出荷されたものの「若干数」にとどまったため、残念ながらまだ入手困難な状況が続いている。その人気ぶりにふさわしい使い勝手を備えているのだろうか? 今回は、同時発売のいくつかの周辺機器とセットで使い、実力をチェックした。

ThinkPad Tablet 2

スペックは「タブレット」的
作りは「ペン前提」

 最初にまず、ThinkPad Tablet 2のスペックを確認しておこう。すでに述べたように、この製品はCPUとしてAtom Z2760(1.8GHz)を採用したものだ。32bit OSのみのサポートとなっているので、搭載されているのは32bit版のWindows 8 Pro。メモリーの搭載量は2GBと、昨今のPCとしてはかなり少なめだが、これはAtomプラットフォーム側の制約である。搭載しているストレージは64GBのフラッシュメモリーである。

 PCとしてみればもちろん非力だ。しかし、ThinkPad Tablet 2をAndroidやiOSのタブレットと比較すれば、おおむね似たようなスペックといっていい。要は「そういうクラスの機器である」と考えるべきなのだろう。ただし、64GBのストレージのうち、エクスプローラー上で利用可能な量は「約51GB」であり、初期状態では約30GB程度しか空きがない。このあたりは、OS領域とユーザー領域が分かれていないWindowsの特質といえる。そのため、他のタブレット的な考え方でいえば、ストレージは実質30GBクラス、ということになるだろう。

 タブレットとして見ると、ThinkPad Tablet 2はいわゆる「10インチクラスタブレット」になる。ディスプレーサイズは10.1型で、解像度は1366x768ドット。iOSやAndroidのタブレットでは、これ以上の解像度の製品が広まり始めているし、価格面を考えると残念ではあるが、PCとしてはまだ標準的なスペックではある。

 薄さは9.8mmで、デザイン的にもほぼ「板」である。ThinkPadらしいシンプルさ重視、といえばいいだろうか。背面の角はゆるやかにカットされていて、この辺のイメージはまさにThinkPadゆずりである。

 ほかのタブレットと違うのは、ペンを挿入する部分がきちんと用意されているところだろうか。ThnikPad Tablet 2は電磁誘導ペンと静電容量式タッチの併用を基本としており、今回試用した「3679A24」モデルにも、タッチペンが付属している(付属しないモデルもあり)。

ペンは左上に収納。電磁誘導式の専用ペンもので、中央に操作用ボタンがある

 操作感は後ほど述べるが、ペンは操作面でも主軸に置かれており、「指の代わりのペン」とは違う位置付けになっている。ペンの書き味はとても良く、素早く書いても描線がカクつくことはなかった。他方で、タッチをペンと誤認識し、妙な描線が描かれる「お手つき問題」に対する対処が、ちょっと甘い気もした。ペンで線を描いた後なら確実なのだが、その前だと「お手つき」誤認が発生しやすい。ペンに制御を移すタイミングはもう少し速いほうが、誤認は発生しにくいだろうと感じた。

ペンで書き込みなどをする時は、本体を縦にすると使いやすい。こうして使ってもストレスがないのが、このクラスのタブレットのいいところ

ペンの書き味は良質。描線のカクつきなどはなく、遅延もほとんどない

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