これから課題となるのは
撮影したHD動画をどう取り回すか
今回は2GBのmicroSDカードに録画し、これをYouTubeにアップロードする形でHD動画を視聴できるように準備した。
ただHD動画を撮影しても、低性能のネットブックなどでは、美しい動画を美しいまま再生できない。その点、Woooには小型のHDMI端子を搭載されている。つまりテレビに直接接続して、HD動画を再生できるようになっているのだ。
ただ、せっかくケータイなのだから、やはりHD動画をケータイからそのままネット上にアップロードできればと思ってしまう。残念ながら通信回線などに問題があり、まだまだリーズナブルとは言えない。
iPhone 3GSはやっと動画撮影に対応したが、はじめから撮影した動画をバックグラウンドでYouTubeに直接アップロードする機能が組み込まれている。Androidケータイのドコモ「HT-03A」も同様だ。そしてPCやケータイなど各端末にカスタマイズされたYouTubeビューワーを使って、動画のライブラリーをみんなで再生できる。
動画という扱いが難しいCGMのコンテンツが登場することで、ケータイもネット上のサービスとのシームレスな連携による問題解決と利便性の向上を狙う必要が出てきている点は明らかだ。動画コンテンツを共有する際に、1台のケータイだけで何とかするのは難しいのではないだろうか。
今後HD動画撮影に対応するケータイがどのくらいの勢いで登場するかわからないが、ただ撮影できるだけではなく、如何にして他のケータイやパソコンで簡単に楽しめるようにするか。そのための手段も含めてデザインしなければならないだろう。端末だけでなく、どのようにサービスをデザインするか、キャリアの仕事はたくさんあるように思う。
諏訪大社を撮影
筆者紹介──松村太郎
ジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性に付いて探求している。近著に「できるポケット+ iPhoto & iMovieで写真と動画を見る・遊ぶ・共有する本 iLife'08対応」(インプレスジャパン刊)。自身のブログはTAROSITE.NET。
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ