数々の高音質化のための仕組みを搭載
PDX-Z10は、アンプとCDプレーヤー、AM/FMラジオチューナーを組み合わせた製品だ。さらにUSB端子に接続したiPodやUSBメモリー内の音楽を再生できるほか、Ethernet端子も搭載し、DLNAによるパソコン内の音楽の再生や、インターネットラジオの受信/再生もできる。
こうして最新のインターフェイスで身を固めつつ、レコードプレーヤーを接続するためのPHONO端子も用意されているところに、この製品が紛れもなくピュアオーディオの世界の製品であることを感じさせる。
アンプは信号処理をすべてデジタルで行なうフルデジタルアンプで、1台のスピーカーの駆動に2つのアンプを利用する「パラレルBTLアンプ構造」や、スピーカー出力部における左右のチャンネルの干渉によって生まれるノイズを解消する「L/Rセパレートシールド構造」を採用するなど、高音質化のための仕組みが数多く盛り込まれている。
また音源の信号と実際の処理の時間軸のズレから音質が低減するジッターを解消するための「サンプレートコンバータ」、通常44.1kHzで再生されるCDなどの非圧縮音源を88.2kHzに変換する「ハイサンプリングレートモード」、圧縮音源を高音質で再生する「A.S.R.」(アドバンスト・サウンドレトリバー)などの機能も搭載しており、音質への妥協のない姿勢が感じられる。
iPod内の音楽をデジタルのまま取り込むこだわり
できるだけデジタルで処理するというこだわりから、iPod内の音楽を再生する際もデジタルのままPDX-Z10に取り込んでいる。iPod対応を謳うオーディオ機器は増えているが、その多くはiPod内でアナログに変換した音を取り込んでいる。こうなると音質はiPodのD/Aコンバータに大きく左右されることになるが、PDX-Z10ではデジタルのまま取り出すことでアナログ/デジタル変換による音質劣化を最小限にとどめているわけだ。
インターネットラジオに対応していることも、PDX-Z10の大きな特徴だろう。ワールドワイドでは多くのラジオ局がインターネットでの配信を行なっており、さまざまな音楽を気軽に聴くことができる。
この原稿を執筆している間も、BGM代わりにiTunesを使って「CBC Jazz」というラジオ局を聴いているが、こうしたすばらしいリソースがパソコンでしか聴けないのはあまりにももったいない。しかしPDX-Z10ならしっかりしたオーディオシステムで楽しめるわけで、ぜひ活用したい機能である。
またオプションではあるが、Bluetoothに対応していることも大きい。特にこのメリットが活かされるのは、パソコン上の音楽を聴く場面ではないだろうか。ケーブルを取り回さなくて済み、気軽にHDD内に蓄積された音楽を高音質で楽しめるメリットは大きい。こうした用途では無線のありがたさを実感できるはずだ。
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