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トラブル発生! そのときあなたは?

カリスマネットワーク管理者への道(その2)

2000年10月02日 01時05分更新

文● 監査法人トーマツ 新妻正夫

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 社内のメールシステムにExchange Server 5.5を利用しています。最近、Exchange Serverが稼働しているサーバのディスクの空き容量が減ってきたので、ユーザーに古いメールを削除するように依頼しました。大多数の人がまじめにメールの整理を行なってくれたようなのですが、サーバの空き容量はまったく変わっていません。これはどうしてでしょうか?

 Exchange Serverでは、ユーザーのメールボックスを1つのデータベースで管理している。ユーザーがメールを整理して古いメール文書を削除すると、このデータベースからメールのデータは削除された状態になるわけだ。ただ実は、データは削除されているものの、データベース上には未使用領域として残ったままになっている。結果、いくらユーザーがメールを整理してもサーバ側の空き容量はまったく変わらないという結果になる。

データベースのデフラグ作業

 このまま何もしないでおくと、いつかはExchange Serverが稼働しているサーバのディスクがパンクしてしまうことになる。これを回避するために必要となるのが、データベースの再配置(デフラグ)の作業だ。作業そのものは専用のツールを利用するだけでよいのだが、次の2点に注意が必要だ。

 まず、現在のExchnage Server 5.5では、データベースのデフラグ作業中にExchnage Serverにアクセスすることができない。つまり、デフラグ中はユーザーがExchangeのメールを利用できないことになる。したがって作業は業務終了後や休日に集中して行なわなければならない。

 次に注意する点として、デフラグの作業を行なうためにはExchange Serverが稼働しているサーバ上にディスクの空き容量が大量に必要になるということがある。これは、デフラグの作業領域として使用する領域である。必要になる容量は、デフラグ後のデータベースと同じだけの容量となる。つまり、元のデータベースから実際に使用している部分だけを新しいデータベースにコピーするのがデフラグで行なわれる処理である(図3)。

図3
図3 データベースの圧縮作業

 ところが実際には、デフラグを行なう必要が生じたときにはすでにサーバのディスク容量が足りなくなっている場合が多い。管理者としての理想をいえば、導入時にサーバのHDD容量を計算する際に、このデフラグ用の容量をあらかじめ含めるようにしておき、かつ空き容量をかならず残すように運用したいものだ。しかし筆者の経験則からいうと、残念なことにメールを貯める人は常にいて、ユーザーは必ず増え、サーバのHDDはあるだけ利用されてしまうものだ。

 またユーザー数が多いExchange Serverでは、メールのデータベースだけで数10GBにもなることがある。それだけの空き容量を一時的にとはいえ、後から確保するのが困難な場合もあるだろう。対策としては、外付けのHDDを接続するなどして、一時的に作業領域を増やしてやるのが1番簡単/確実な方法である。

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