2. コンセプトの8大パワー
企画書はコンセプトによって動き出します。
コンセプトは「問い」に対するストレートな「答え」です。それは企画の中心であり、ひと言で訴えるパワーがあり(訴求力)、企画を突き動かす力を持っています(原動力)。またコンセプトは実行に移す力を持ち(推進力)、構成員の心を集約する力があります(求心力)。顧客に対しては商品の魅力をわかりやすく伝えられ(伝達力)、広く深く理解してもらえ(拡散・浸透力)、訴求効果の持続性もアップします(持続力)。そして時間が経って忘れかけたときでも、企画した地点に舞い戻って確認することができます(遡及力)。
これを可能にするのは、長々と説明した文章や、曖昧な表現ではありません。
コンセプト発想とは、「答え」となる概念をギリギリまで凝縮させたワンワードになるまで考え抜くことを意味します。
このコンセプトを考え抜くプロセスで、すでに企画書全体の概要はでき上がっています。「1枚企画書」がたった1枚でも十分なパワーを持つのは、このコンセプトを中心に組み立てられているからです。
「文書発想」と「コンセプト発想」の違い
企画書に必要な項目は最初から決まっている、というのがワープロソフトで作る文書型企画書の発想であるが、文書は上から下へと直線的に「流れて」しまうので、依頼者の「問い」に対する「答え」は埋もれがちになる。
それに対して右側のコンセプト発想は、「問い」に対するストレートな「答え」であるコンセプトを中心に据え、立体的に企画を練ることで、前後に意味(その企画書の個々の項目名)を与えていく方法である。
(次ページ、「『1枚企画書』の構図――2つのフェーズ」に続く)
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