スーパーGP、ダントツGP
パナソニックの社内には、成長のための戦略商品であるV商品とは別に、環境に配慮した商品として、スーパーGP商品、ダントツGPといった商品群を持っている。
GPという言葉には、中期経営計画「GP3計画」の名称との関連も感じさせるが、ここでは、ストレートに「グリーン・プロダクツ」の意味を持たせている。
持続可能な社会の実現に向けて新たなトレンドを創ることができる「スーパーGP」商品では、2007年度に放送用ビデオ機器である「DVCPRO P2シリーズ」と、分岐ブレーカーごとに電気をモニタリングする「ライフィニティ ECOマネシステム」の2商品を認定。さらに、省エネ、省資源、化学物質、環境創造性において業界ナンバーワンとなる「ダントツGP」商品として124商品を認定した。ダントツGPのうち、省エネ性能の高さによって認定された商品は79商品となっている。
一方、パナソニックが掲げる3番目の「ひろがるエコアイディア」としては、環境活動をグループ内からグループ外へと、幅広く展開することを目指すものだ。
たとえばパナソニックでは、2008年10月4日~16日までの期間を、各地域における環境活動のための重点期間に設定し、全世界39の国と地域、342事業場、20万人が参加し、環境に関する518のテーマを掲げたエコプロジェクトをグローバルに展開した。
さらに、家庭で使用するエネルギーをまとめる「環境家計簿」では、パナソニックの従業員約5万1000世帯が参加。2007年11月からは、従業員が商品を購入する際には、省エネ製品を選択するように促す「省エネ製品セレクトエコチャレンジ!」も実施した。
また、2008年10月に英国で発表した欧州エコプロジェクトでは、2010年3月までに、業界ナンバーワン環境性能を持つ「ダントツGP」商品を欧州市場向けに20機種開発することや、欧州17の製造拠点から排出されるCO2を、6000トン削減することを発表。日本においては、BYOSクリーンネットワーク構想に参加。琵琶湖、淀川水系、大阪湾、瀬戸内海の環境保全について、関西に立地する企業やNPOなどと一緒になり、地球環境との共生を推進するという。同構想は、2009年1月から本格的な活動を開始しており、2010年度以降は、これを全国的な活動へと広げていくことになる。
さらに、中国でも「中国環境貢献企業宣言」を発信。高い環境性能を有する商品づくり、製造事業現場における環境負荷低減、従業員の環境意識の向上とエコ活動の展開の3点から、中国における環境保全活動に取り組むことを示している。
2007年4月以降に発売する中国市場向けの全商品において省エネ性能でトップ水準を示す「十環ラベル」、「節ラベル」、「環保ラベル」を取得するほか、省エネルギーや節水などのレベルを評価する「省エネルギーラベル」においても、トップ水準を獲得する。
また、世界自然保護基金(WWF)が取り組んでいる生物多様性を維持するための活動「黄海エコリージョン」を支援。7年間に渡り、1億7000万円の資金を援助する。
このように、パナソニックの環境活動は、グループ外へと広がっているのだ。
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