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ブランドバリューが思うほど伸びない?

松下電器はなぜ「パナソニック」に社名変更するのか

2008年01月10日 22時08分更新

文● 編集部 橋本 優

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 松下電器産業(株)は10日、2008年度の経営方針説明会を大阪府枚方で開催した。この中で社名を「パナソニック株式会社」(英表記:Panasonic Corporation)に変更することが正式に発表された。



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社名変更のスライド

社名を変更する必要性

 6月下旬に開催予定の定時株主総会で承認されれば、10月1日付けで社名を変更となる。現在展開している「ナショナル」ブランドについては2009年度を目処に廃止するほか、同社子会社が社名の一部などに使用している「松下」という名称についてもパナソニックに変更される。「ナショナル」ショップについては、今後説明などを行なって理解を求める方針だ。

大坪文雄氏(大阪から東京への中継映像)
大坪文雄氏(大阪から東京への中継映像)

 社名変更について、同社代表取締役社長の大坪文雄氏は「(同社の)ブランドバリューが思うほど伸びていない」という懸念を感じ、「グローバルエクセレントカンパニー」(売上高10兆円以上でうち60%が海外であること、などの指標を定めた同社の目標)を目指すためには、「全従業員がひとつの価値に集中することが必要」との判断を下したという。

 そこで大坪氏は、2007年秋ごろに社名の変更について若手メンバーに検討を指示。その後12月には、同社名誉会長の松下正治氏、副会長の松下正幸氏に相談し、了承を得たという。なお、社名変更にかかるコストは概算で300億円程度になる予定とのことだ。

 同氏は「(社名を)手放すことは大きな決断だが、手放すもの以上の価値を生み出していく責任がある」とし、「全世界の社員の心を1つにして全力をつくす」と語った。



2008年の事業計画は?


 大坪氏は「グローバルエクセレントカンパニー」を達成するため、2007年から開始された3ヵ年計画である「3GP」(Global Progress、Global Profit、Global Panasonicの3つの略称)について、2008年度の方針を説明した。

 2008年の経営目標は、売上高を+5%以上、ROE(株主資本利益率)を8%以上とするほか、CO2排出量を10万トン以上削減するという。

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「BRICs」+ベトナムをターゲットとし、成長を加速させる

 事業計画については、まず「海外での2桁増販」を目標に挙げ、前年度比25%増の5000億円以上の売上げを目指す考えを明らかにした。そのために「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国)およびベトナムの5ヵ国が重要だとした。また、欧州では従来のエアコンに加えて、冷蔵庫と洗濯機の販売を開始する。これによりAV製品に加えて白物家電についても欧州で地位を確立したい考えだ。

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4つの「戦略事業」の事業拡大を行なう

 また「戦略事業」として「デジタルAV」「生活快適実現」「カーエレクトロニクス」「半導体・デバイス」を挙げ、それぞれ事業拡大していく方針であることを明らかにした。特に薄型テレビ市場については、プラズマテレビへの大型投資の継続や、37型液晶テレビの全世界展開などにより、37型以上の大画面薄型テレビのシェアの25%を獲得したいという。有機ELテレビについても「大画面テレビの有機EL化が2015年ごろからそろそろ立ち上がってくる」とし、開発についてアクションを起こす考えを示した。

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薄型テレビの戦略図

 液晶テレビ事業については、(株)IPSアルファテクノロジの子会社化関連記事)を子会社化するほか、新パネル工場の建設(2009年度生産開始予定)など、垂直統合・パネルの安定調達で基盤強化を図るという。

 ちなみに2008年の経営スローガンは、2007年と同じく「打って出る!」だとし、その打って出たひとつの結果が社名変更であるとした。

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