2回目の激走中に聞こえてきた、魔のインタビュー
日ごろの運動といえばわずか15分のチャリンコ通勤。おかげさまで近年マウスより重いものを持ったことのない25歳といえば僕である。初回の激走で完全に腿と足首をガタガタにし、すっかり死んでいたところに我らの女神「平成いちにのさん」が微笑んでいた。
「がんばってくださーい!!」なんて言われたらもう昭和生まれは走るしかないわけです。そんなわけで気持ち悪くにやけながら、本日2回目のコースイン! 順調にヘアピンの甘い上り坂を終え、行く手に「死のダンロップコーナー」が見えてきたと思ったそのとき。
『かわいらしいですね~、ASCII.jp Webアキバの方ですか?』
場内に響きわたるリポーターの声。ん? いま何か聞き覚えのあるチーム名が呼ばれたような……と思ったら、平成いちにのさんがリポーターからインタビューを受けていた!
『みんな平成生まれなので、「平成いちにのさん」なんです』
『ええー、すごいですねー! 私たち、昭和生まれのリポーターです(笑)』
受け答えに「ああ……癒される」とヘンタイみたいにウットリしながら、気が遠くなるような急勾配を駆け上がる。さーあと坂2つだ、と思った次の瞬間。
『ASCII.jp Webアキバの方、あ、男性の方いらっしゃいますね』
『あ、どうも。あ、ASCII.jpです』
こ、この声はリーダーの末岡っ!
イ ン タ ビ ュ ー さ れ て る ー ! ! !
驚くと同時に猛烈な突風がコース上に吹き荒れ(実話)、第2の急勾配「13コーナー」にさしかかったときには縁石に乗り上げ、危うくすっころぶ寸前に。なんとか態勢を立て直したのもつかの間、すぐに風にあおられた他のレーサーにぶつかりそうになり……。
そんな僕の気も知らずインタビューはつづく。
『今回レースクイーンのみなさんが平成生まれということで』
『あー、なんですかね、やっぱりあのー、目立ちたかったんで』
そこか、答えるとこ! などと緊張しまくりのリーダーにツッコんでいると、またしてもラスト直前のヘアピンで突風が。息は絶えだえ、腿は突っ張り、お腹はなんかもーヤバいくらいにゴロゴロしている。そのかたわら、初インタビューにニヤニヤしたリーダーの声が聞こえつづける。地獄絵図である。
ぜーはーしながらピットインしたところ、誰も交代がいない……。どうも完全に取材に没頭してしまっていたようなのである。青ライン上から必死に手を振り、なんとか次につないでお役目終了。ふだん取材サイドなんだから、そこまで緊張する必要ないじゃんか!
そんなわけで末岡リーダーの初取材とともに虚弱編集者の初参戦は終了。運動しよう、そしてインタビュー慣れしよう、と堅く心に誓った25歳の冬なのでありました。
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