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スーパーママチャリGP参戦記 第6回

そのとき、雲が動いた――テント崩壊のプレリュード

2009年01月10日 23時00分更新

文● 飯塚/Webアキバ編集部

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 早朝4時より現地入りして、路面が凍結する中、坂道での重い台車の恐怖や、吹き付ける寒風を耐えて設置されたテント。朝ご飯ができ、昼ご飯ができ、疲れた走者を癒す憩いの場であったテント。レースクイーンのかわいらしい笑顔で癒されて、地獄のロードへと再び立ち向かう気力を引き出すテント。

これだけの資材を駆使して、夜中のうちに楽園が作られた

 そんなOver30のGuysのためのパラダイス(楽園)は、キャンプ場にいる北村からの電話によって打ち破られた。

「テントが……、すぐに何人か来てください」

 北村の声に危機を感じた男たちは、すぐにキャンプ場所へと足を急がせた。そこで見た風景とは、必死になってテントを押さえる盛田(しかし表情は変わらない)、そして折れ曲がった支柱に呆然とする傭兵部隊の藤山氏と北村の姿だった。
 「突風が巻き起こり、テントが崩壊したんです」
 そう語る藤山氏と北村の表情は暗い。直後、さらなる突風がキャンプを襲い、第2、第3の犠牲が生まれた。珈琲瓶および調理済み食料の自由落下である。

変わり果てた姿で発見された食料たち。ああ、私もまだ一口も食べてなかったのに……

自慢の珈琲もこれでは飲むことができない。割れた破片による二次災害も注意する必要がある

事件当時の富士山の様子。雲が風によって巻き上がり、まるで積乱雲のような形状となっている。あの雲の先に失われた古代遺跡があるのかも

 この時点で、キャンプリーダーの藤山氏はテントの撤退を決断。とにかくテントをたたまなくては、テントそのものがどこかへ飛んで行ってしまう危険があったからだ。

事件直後の周囲の様子。我々と同様にテントが吹き飛んでいるチームもあるが、まだ残っているチームも多い

さらに時間が経つと、周囲はバーベキュー場からフリーマーケット会場のように変化した

 前年度のママチャリグランプリでは、雨の中を寒さに震えながら行なわれたようだが、今回は晴天に恵まれたものの、突風が常に吹き荒れるというものだった。雨と風のどちらがよかったのかは、2年連続で出場したチームだけが知っているのである。

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