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裸族は海外でも大人気! 裸族シリーズの誕生秘話!

2008年08月29日 22時50分更新

文● 美和/WEBアキバ編集部

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 センチュリーは、いつもユニークなネーミングの商品を市場に投入してくる。例えば複数のHDDを収納できる外付けHDDケース「ドライブドア」は、ライブドアが世の中を騒がせていたときに登場した製品だ。そのほかにも容量の異なる2台のHDDを1つのドライブとして使える「ニコイチBOX」、ドライバレスで外付けHDDを簡単に作成できる「1分BOX」など、製品名から製品の内容がわかるようなものが多い。本日製品を紹介している「裸族」シリーズも同社のもので、息の長いシリーズとなっている。
 今回はこの裸族シリーズについて、その誕生秘話を代表取締役社長の加川博久氏にお話を伺った。さてさて、どんな話になるやら……。

株式会社センチュリーの代表取締役社長である加川博久氏。同社のユニークなネーミングセンスは氏が源泉となっている!

───私ね、つい最近までアキバのショップを取材で回っていたんですよ。そこでいつも不思議に思っていたのが、センチュリーさんのネーミングセンスなんです。奇抜すぎですよね(笑)。そもそも「裸族シリーズ」を始めたきっかけというのは何だったんでしょうか?

 まず、HDDを剥き出して使ってる社員が結構いたこと。それと容量が少なくて、物理的に故障していないのに使われなくなったHDDをなんとか有効活用できないかと思ったことがキッカケです。「直差しIDE」という製品を出したら売れましたので、バルクでHDDを使っている人向けに何か作ろうと。最初はどんなガワにしようかと思いましたが、シリコンでHDDを保護をするという形にしました。それがウケてシリーズ化しようという話になり、できあがったのが裸族シリーズです。

───ああ、思い出しました。「裸族の服」ですよね。原稿で「“裸族”というのは衣類を着用していないから裸族なのであって、衣類を着用したらただの“原住民”になってしまうのでは?」とツッコンだ覚えがあります(笑)。そもそも「裸族」と名付けたのはなぜですか?

 コンセプトとしてはHDDを剥き出し、いわゆる裸の状態で使っている人に向けての商品作りでしたので、そんなユーザーたちにわかりやすいネーミングにしようと。それと、単発で終わらせるつもりはありませんでしたので、シリーズ化しやすいような名前がいいだろうと。しかし、私自身は英語の名前が嫌いなんですよ。あと、携帯電話で見かけるような、英数字の名前とかね。だから絶対に日本語の名前にしたかったんです。それでいて商品を見てすぐにわかる名前がいい。「剥き出し(バルク)=裸」じゃないですか。だから「裸族」になったんです。ネーミングの時点で中途半端に妥協してしまっては面白くないし、ふざけるなら徹底的にふざけて、突き抜けたほうがいいですからね。

裸族シリーズはこの「裸族の服」から始まった。シリコン製のケースがHDDを覆うという極簡単な作りのものであった。価格も1000円を切っており、人気の製品であった。現在はラインナップからなくなっている

そしてこちらが第2弾となる「裸族の村」。段ボールのHDD収納ケースで、発売当時、ショップからは「長いことやっているけど、段ボールを売るのは初めてだ」という声が聞かれた

───このネーミングはどういうシチュエーションで考えているんですか? あるショップ店員は「酒の席で適当につけているに違いない」と言っていますが。私もこの意見には同意です(笑)

 いえいえ(笑)。くだらない話をしながら、商品を前に考えています。みんなで考えるけど、最終的に決断を下すのは私です。私が独断と偏見とひらめきで決めています。私がピンとこなかったモノはダメですね。ボツを出した場合は、私がイジって直すこともあります。それととても不思議なんですが、会議や話し合いをすればするほど、商品が面白くなくなっていくんですよ。角がないつまらない商品になってしまうんです。考え抜いてつけた名前の商品はあまり売り上げがよくありません。逆に、パッとひらめきで付けた名前の商品のほうが売れています。でも、最近はあまりダメ出しをしていないですね。営業の人間が私の考えを理解してきて「社長ならこういう名前にするだろう」となかなか良い候補を出してくるようになったので。こうなるまでに2年近くかかりましたが(笑)。ちなみに、裸族シリーズの「娯楽」「二股」「口止」「ビキニ」などは営業部隊が主力となって考えたネーミングです。私はほとんどかかわっていませんね。

───まあ、それでも通常の製品では考えられないくらい突き抜けていますよ。ただ、これだけ奇抜だと、失敗だったものもあるんじゃないですか?

 「地下発電所」は失敗だったかもしれませんね(苦笑)。これはなかなか良い案がでなかったんですよ。最初、私は「東京電力」って名前にしたかったけど、さすがにそれは怒られるんじゃないかって。ほかには、「アキバ発電所」なんて名前も出て、それも良かったんですけど、アパートの下に置く商品なので、「だったら地下発電所でいいんじゃない?」と誰かが言って、じゃあそれでいいか、と決まったという経緯がありました。

(次ページへ続く)

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