いよいよ米軍艦船の登場だ!
いよいよ横須賀本港に入る。時節柄警備が厳しいのか、アメリカ海軍の監視船が見守っている。
空母の指定席である「12号バース」だが、今は空母の姿はない。1998年より横須賀を母港としていた空母「キティホーク」(CV-63)は退役を控え既にアメリカへ帰っており、交替となる原子力空母「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)はまだ配備されていないからだ。替わりに、本来佐世保を母港としている強襲揚陸艦「エセックス」(LHD-2)が入港していた。
ワスプ級強襲揚陸艦の2番艦である「エセックス」は、空母には及ばないものの4万トンの巨体を誇る世界最大の揚陸艦だ。ヘリ空母と呼ばれることもあり、多数の輸送ヘリや攻撃ヘリ、必要であればV/STOL攻撃機ハリアーⅡを運用することができる。また、艦内にはウェルドックを備え、LCACホバークラフト揚陸艇3隻を搭載している。海兵隊一個大隊と付随する戦車などの車両を輸送して強襲上陸させることができ、文字通りアメリカの前衛と言える。
その能力を生かし、サイクロンに襲われ大きな被害を出したミャンマーの救援作業にも活躍している。
「エセックス」の向かい側に停泊しているのは、第7艦隊の旗艦である揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」(LCC-19)。世界最強を誇る第7艦隊の、文字通りの脳髄だ。艦自体の戦闘能力は高くはないが、大艦隊を自在に指揮できる高度な通信設備を備えている。
こちらはイージス駆逐艦「ラッセン」(DDG-82)。アーレイ・バーク級フライトⅡAに属し、ミサイル防衛(MD)にも対応する最新鋭艦だ。
横須賀には、この「ラッセン」を含めて合計9隻のイージス艦が配備されている。これに海上自衛隊の「こんごう」を加えれば合計10隻となるが、一つの軍港にこれだけのイージス艦が配備されているのもアメリカ本土を除けばここ横須賀だけだ。
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