ボタン配置に難のある小さなタッチパッド
小さなボディーフルキーを搭載したためか、タッチパッドはかなり小さい。マウスボタンを下に配置することができず、左右に分割配置した独自の形状だ。
操作性の面で、唯一気になったのはこのタッチパッドのボタンだ。左右に分かれていることそのものは、さして問題ではない。気になったのは、ボタンのストロークが妙に深いうえに腰がなく、押し心地が悪いことだ。パッドの小ささと相まって、正直あまり使いたいと思えなかった。キーボードで見せたのと同じレベルのこだわりが欲しかったところだ。率直にいえば、Bluetoothなどで外付けマウスをつないで使った方がましというレベルである。
なお、タッチパッドの上部にあるボタンは、タッチパッドを無効化するためのもので、最近のHPのノートには標準装備されている。サイズが小さいためか、HP Miniではタイプ中にタッチパッドに触れてしまうことが少なくないため、長文をタイプ中には、このボタンを押しておいた方がいいだろう。
ディスプレーは、低価格ミニノートには珍しく1280×768ドットのWXGAとなっており、「画面の狭さ」を感じさせることはない。発色も良好で、妙な色の偏りもなかった。ただし、ディスプレーサイズそのものは8.9インチと、本体サイズに比べふた回り小さい。「額縁」の上部はWebカメラ、左右はスピーカーとなっている。
ディスプレー表面はいわゆる「光沢仕上げ」だが、他社のノートと違って反射防止のコーティングはなく、単に強度をカバーするアクリル板がかぶせられているだけだ。そのため、外光の写り込みはかなり気になる。バックライトをかなり強めに設定しないと、明るい場所では表示がかなり見えづらい。
既存の低価格ミニノートとの違い、という点では、HDDの容量も挙げられる。EeePCはHDDを搭載せず、5GBのSDメモリーカードをHDD代わりに使っていた。読み込み速度の点ではプラスに働くし、「どこまで不要ファイルを削れるか」という意味ではマニア心もくすぐる仕様だが、WindowsをOSとして一般の人が使う前提に立つと、あまりに容量が少なすぎて使いにくかった。その点HP Miniの場合は、120GBもしくは160GBの2.5インチHDDが使われており、容量の面で問題はない。
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