図書館にある一冊の本であり続けたい
── 銅像の落書きをサイトに紹介することについて、反対意見は届きませんか?
える会長 ニュースサイトに紹介された1年後に、掲示板でそういう声を頂きましたね。「銅像汚すなんてどういうことだ。けしからん」と。それに対して、卒業生の人が「俺らは別にいいと思っている」みたいな反論をして、しばらく論議したあとに、反対意見を出した人が納得して収まりました。
でも僕としては、そういう指摘をしてくれる人がいるのは健全でありがたいと思っています。今でも、そういうお叱りはあって当然と思って運営しています。
── お叱りと「でもいいじゃん」という意見を共存させるのは難しそうですね。
える会長 最初にサイトを始めたときの気持ちを大切にしているので、それほど苦ではないです。僕は銅像のことで怒られたとしても、サイトを止めるつもりがまったくないんですよ。
「折田先生を讃える会」は、インターネットという図書館にある一冊の本でいいと考えています。図書館に行って、その気になって探したらその本があるっていう、そういう存在。ひとつの学生史としてでも、京大の歴史の1ページとしてでもいいから、記録として残しておきたいんです。記録を詰めた本、言い換えれば標本みたいなものですね。
── なるほど。標本だからこそ、言ってみればグレーの文化をそっくりそのまま残せるわけですね。
える会長 そうです。そうやって残しておきたい。お金が絡むとまた余計な問題が出てくるから、アフィリエイトもせずに、そのままの状態で置いているんです。無料のサイトを使って、好きなようにね。利用したい人は利用してくださいと。だから、今後僕が京都を離れても、キーボードが打てる限りサイトの運営を続けていくでしょう。あるいは、誰かの手を借りるかもしれませんが。
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