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見られたくないデータは死んでも隠し通したい! 古田雄介の「恥よ! 墓へ!」 第17回

生体認証は恥ずかしいファイルを隠す仕組みとして使えるのか

2017年04月16日 17時00分更新

文● 古田雄介

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生体認証のみで開くなら余裕で墓場に持ち込める!?

 ここ最近、生体認証の活躍の場が広がっていますね。2015年以降、生体認証を推進する国際団体「FIDOアライアンス」の規格に準拠したスマホが複数登場していますし、楽天証券は今年10月をメドにIDやパスワード入力の代わりに生体認証でログインできる仕組みを導入予定と公表しています。認証手法も指紋や虹彩、顔だけでなく、ウェアラブル端末から取得した鼓動波形で個人を特定する仕組みもすでにあります。

 さて、恥を墓場まで持っていく視点で考えたとき、これらの生体認証の仕組みはとても頼もしく映ります。

 自分の指や目や表情、鼓動“のみ”で開けられるデジタル機器やサービスがあるとすれば、それはもう自分の身体の飛び地、飛び地の自分といっても過言ではないかもしれません。自分が生きている間はほとんど手間なく解錠施錠できるけれど、死んだ後は自分の亡骸も含めて誰も開けられない扉になりますから。脳の中の記憶や思考が本人の死後に誰も触れられないように、飛び地にたんまり入れておいた恥ずかしいファイルも死と同時に迷宮入りするわけです。

 それは果たして可能でしょうか? FIDOアライアンス準拠の虹彩認証システムを搭載した、富士通の「arrows NX F-01J」で試してみました。

今週のポイント

虹彩認証(arrows NX F-01J)。瞳にある瞳孔周りの部分(虹彩)によって個人を識別する生体認証方法。高性能カメラなら素早く確実に認証できるメリットがあり、指紋や顔認証と並ぶメジャーな生体認証となっている

arrows NX F-01Jは実売価格2万6000円前後(機種変更)。落下や画面の割れに強い素材と構造を採用したAndroid 6.0端末。通常のアウトとインカメラのほか、虹彩認証専用カメラとLEDを搭載し、シリーズ最速級の認証速度を持つ

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