水槽は背の高いものを採用
テーマとして「なるべくローコスト」「入手性の高いものでなんとかする」があり、それに即し、かつ導入がしやすいものとして、背の高い水槽を思いついた。
マザーボードを底近くに配置しておけば、対流によってちゃんとオイルが循環しやすく、また高さがあるぶん、ちゃんと冷える余裕が生まれるだろう。
もちろん、それだけ注ぐ油の量は増えてしまうのだが、入手してきた水槽はKOTOBUKI「LEGLASS FLAT F-3050」。30cm×30cm×50cm(40L)で、環境をグレードアップしても使えそうなものだ。
ところで、今回も沈むことになる「A10-6800K」は、12ヵ月間もの間、油の中で過ごしてきただけでなく、よく思い出したら、CPUグリスの代替品を探すの記事でも活躍しており、愛着ゲージマシマシだ。ここまで変なCPUライフを歩んだプロセッサーはないだろう。
近所のスーパーで買い占めた日清キャノーラ油10kg
オイルは、ASCIIにおいてスタンダードである、いつもの日清キャノーラを採用。酸化ブロック製法の文字列が力強い。油没実施直前に近くのスーパーで10kg分を購入。結果として棚にあった日清キャノーラをすべて購入という形になった。前回は2.6kgで敗北しているが、今回は10kgである。足りない場合は、買い足せばいいだけだ。
油を注ぐも動作に問題が
CPUクーラーをセットしない状態で油に沈めるため、起動させっぱなしで油を注いだ場合、発熱によって、その途中でシャットダウンしてしまう可能性が高い。そこで、マザーボードが油没してから電源をオンにし、残りの油を注ぐことにした。
下の動画が、キャノーラ油を10kg注ぐまでの様子だ。8分ほどと思ったより時間を必要としたため、動画は早送り版。電源投入のところだけ通常速度だ。油をすべて注いだところ、深さは約13cm。30cm×30cm×13cmの油プールの完成だ!
以降も、起動してすぐにプッツリとブラックアウトしてしまい、かつ再起動もかからない場合は、熱が原因であることが多い。
またUEFIの画面で見ると、CPU温度がギュンギュン上昇するのも確認できたため、油量が足りないかと思ったが、そういえば高エネルギー加速器研究機構で見たスーパーコンピューターSuiren(睡蓮)は、ヒートスプレッダー剥き出しではなく、ヒートシンクがついていた記憶があったので、リテールクーラーを取り付けてみた。
といったことから、Atomなどの低発熱SoCならば不要だが、デスクトップ用プロセッサーになると大きめのCPUクーラーをつけておくのはマストだ。押し入れに眠っているであろう、カッコイイだけでうっかり購入してしまったCPUクーラーの出番だ!
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