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スマホで使えるサーモグラフィー「FLIR ONE」を買った!!

2015年12月29日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax) 編集●北村/ASCII.jp

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サーモグラフィーを
アート写真として楽しむ

 さて、本製品は上記のような検証目的にも使えるが、熱源がどこにあるのかを暗所でもわかるほか、写真として楽しむことにも使える。

 もっとも効果を体感できるのは真っ暗な場所だろう。たとえばガラスビンのなかの熱源体をチェックしたい場合、蛍光灯の写り込みがあると、その温度も取得してしまうので、真っ暗にして撮影したほうがいい。

 また、夜道をなんとなくチェックしてみるのも楽しいだろう。冷蔵庫では、どの缶ジュースが一番冷えているかがすぐわかる。

まだ明るいときの編集部で撮影。机の形などが鮮明に分かる

ほとんど真っ暗な編集部にて。写真左側あたりの椅子のディティールは不明だが、熱だけは拾っている

完全に真っ暗な状態でもどういった形状のものがあるのかわかる

みんな大好きデスクトップPC内部の熱状況も実によくわかる。ファンを変更した場合にどう変化するかといった検証がやりやすくるだろう。それにしてもSSDは温度が低いなぁ……

町中を撮影してみても、いつもと違う景色のようで、やはり楽しい

アプリ「FLIR Tools」でさらに使えるヤツになる

 FLIR ONEの温度測定はスポットで、また画面内の最大温度と最小温度の値もわかりにくい。この部分はアプリ「FLIR Tools」で補うことができる。少し手間は増えてしまうが、機能的には上位機種に近いものになると、さらにコスパに磨きがかかるわけだ。

 FLIR Toolsでは、後付けでスポットを複数箇所設定できるほか、指定エリア内の最大温度、最小温度、平均温度を自動的に表示するといったことが可能だ。

 また撮影時にスポットをオンにしていてもFLIR Tools上からオフにすることもできる。そのため、スマホやPCケース内の最大・最小温度を知りたいときに都合がいい。

 購入後、しばらくしてから本アプリに気がついたのだが、モバイルノートPCのキーボード面の熱分布傾向記事をやりたくなってしまった。

FLIR Toolsで計測ポイントを追加してみたもの。スポットの追加だけでなく、移動、削除も行なえる

指定した四角形内の最大・最小・平均温度を自動的に表示もできる。また表示情報のカスタムにも対応。これは以降に紹介する円形、ラインでも同様だ

円形を使用したもの

表示カラーパターンも変更可能

ラインは指定した1線上の温度を表示する。最大・最小に加えて、グラフ表示もできるため、かなりいい。またラインの縦横も変更可能だ

FLIR Toolsから出力してみたもの。解像度は320×240ドット。数値と被ることもあるので、場合によってはスクリーンショットを掲載ということで対応できそうだ。それにしても、GPUの温度がなかなか生々しい

約4万円だがとても満足している

 温度チェックが多い場合、まず役立つアイテムであることは確かだ。問題は使用頻度で、たまにチェック程度だと約4万円は高い買い物になる。

 筆者のようにスマホやPCの温度をチェックすることが多いのであれば、どう熱が広がっていくかといった情報も得られるし、赤外線温度計であちこちチェックする手間も省ける。

自作ユーザー、特にPCの排熱を気にする人にとって。FLIR ONEはマストアイテムといえる

 とくに自作PCではファンを変更した場合の効果がわかりにくく、そこをFLIR ONEで可視化できるのはとてもグッドだ。室内の熱源を探して遊んだりといったことにも使える。

 興味がある人はAmazonや佐藤商事などで検索して、FLIR ONEをチェックしてみてほしい。

■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介――林 佑樹

 科学技術カメラマン・ライター。おねーちゃんよりもハードウェアを取材しているときのほうが幸せな人種。C89冬コミは3日目ホ-31bで僕と握手!! ASCII.jpでも何度か取材しているKEKの写真集が新刊です。

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