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Kickstarterでの出資受付がスタート

「目からビーム」がドバドバ打てる! 視線追跡付きVRHMD「FOVE」をかぶった

2015年05月21日 16時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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内部の目線を取れる「FOVE」は、既存のVRHMDとは別カテゴリーを感じさせる体験だった

 FOVE(フォーブ)は5月19日、クラウドファンディングサービスの「Kickstarter」にて、バーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレー(VRHMD)「FOVE」の出資受付をスタートした。目標金額は25万ドルで、実機をもらうためには399ドルの投資が必要。早期割引で200台が349ドル、400台が375ドルで提供される。別途、日本への送料が50ドルかかる。

 VRHMDは、Oculus VRの「Oculus Rift」、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「Project Morpheus」、Oculus VRとサムスン電子がコラボした「Gear VR」などさまざま種類が登場しているが、それらと比べてFOVEはユーザーの視線を追跡できるのが最大の特徴になる。19日の記者発表会にてデモされていた実機の使い勝手をレポートしていこう。

FOVEは、5.8型で2560×1440ドットのディスプレーを内蔵する。視野角は100度以上、表示フレームレートは90fps以上を予定。視線は120fpsでスキャンしている2つの赤外線システムで追跡し、現状で0.5度、将来的に0.2度の追従制度を実現するとのこと。重量は400gだ。

「二次元が来い」を実現したかった

 未経験の方にVRHMDを紹介しておくと、かぶると頭の周囲360度が映像に囲まれ、バーチャル世界を自由に見られるというのが特長になる。テレビやスマホなどの平面ディスプレーでは、どんなに迫力があってもそれは画面の中の出来事だが、VRHMDでは映像の中に入り込むので自分に起きていることとして錯覚してしまうのが新しい。

 さらにFOVEは視線追従を備えており、ほかのVRHMDにはないメリットを提供してくれる。例えば、FPSゲームを遊ぶ場合、視線で敵を見つめるだけでロックできるので、マウスやゲームパッドより高速に照準を合わせられるのが魅力だ。FOVEのCEO、小島由香氏によれば、「VRHMDでは、右目と左目で見えているところが異なる視差があるため、敵に狙いを定めようとしてもずれてしまうことがある。その問題をFOVEは視線追従で解決しようとしている」とのこと。

記者発表会で語るFOVEの小島由香CEO視線で敵に照準を合わせられる

 PCの処理を軽減する用途にも役立つ。VRHMDでは、75fpsや90fpsなど高いフレームレートで描画するため、高性能なグラフィックカードを備えたPCを用意しておかないと、画面がガタついてVR酔いなどを引き起こしてしまう。視線追跡を活用し、ユーザーが見ているところだけ高画素化する「Foveated Rendering」機能を活用することで、だいたい6分の1まで処理負荷を減らせる。「ノートPCや近い将来はスマートフォンでもAAAタイトルを遊べるようにしていきたい」と小島CEOは語っていた。

ややわかりにくいが、目線があった赤丸の部分だけ高画素化している

 目の焦点も表現できるようになる。今までのVRHMDは、バーチャル世界すべてにピントが合った状態だったが、視線追跡により前後をぼかすことも可能だ。

 記者発表会では開発エピソードが語られたが、VRHMDありきではなく、視線追跡を追い求めた結果、VRHMDに行き着いたという話が興味深かった。

 もともと、小島CEOはソニー・コンピュータエンタテインメントに勤めており、視線追従を使ってゲームを作ろうとして失敗したことがあった。留学の際に知り合い、アニメなどについて語り合った8年来のオタク友達であるロックラン・ウィルソン氏に相談したところ、「だったら自分達でつくればいい」という話になってFOVEの開発がスタートしたそうだ。

 当初はiPadで作ろうとしていたが、目と赤外線カメラの距離が離れていたおかげで精度が出せなかった。そこで画面を顔に近づけたほうが没入感も上がるし、精度も取れるという話が出て、VRHMDに行き着いている。

「映画やゲームやマンガが好きで、物語の世界にどうやったら入れるかと思ったときに、今キャラクターがどこを見てるかわからないというのが違和感だった。その世界の人と目があったり、笑いあったり、現実の世界に近いコミュニケーションができると、物語と距離が縮まるかなと思ったのが最初です。いわゆる『二次元がこい』じゃないですけど、入れるかなと思ったんです」(小島CEO)

キャラクターとの対話は、日本のコンテンツと相性がいい活用方法だ
動機としてはキャラクターとの対話だが、ALSの患者が目を使ってコミュニケーションロボットを動かしたり、手の不自由な方が目でピアノを弾いたりと、福祉の用途でも活用している。

(次ページでは、「実際に体験してみた」)

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