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映像のあり方を変えてしまうデバイス

Facebookが2000億円で買収した「Oculus Rift」って何?

2014年03月26日 22時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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Oculus Riftの最新版となる「Development Kit 2」。まだ開発者向けバージョンにも関わらず、非常に注目を集めている存在だ

 日本時間の3月26日朝、Facebookが米ベンチャーのOculus VRを買収するというニュースがネットを駆け抜けた。買収総額なんと約20億ドル。日本円にして約2000億円という巨額が投じられたわけだ。Oculus VRは、VRヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)を開発している企業である。この製品に秘められた価値をひも解いていこう。

「世界に入れる」ヘッドマウントディスプレー

 まず、注目なのは、“世界の中に入れる”という体験だ。ヘッドマウントディスプレー(HMD)は、ざっくり言えば目につけて使う映像表示装置で、例えばドラゴンボールの「スカウター」を始めとするアニメやSFではおなじみのアイテムになる。

 と言っても、HMD自体は昔からあり、民生用としてもオリンパスの「Eye-Trek」シリーズやソニーの「HMZ」シリーズなど、目の前に大きなスクリーンが現れるタイプの製品が発売されてきた。任天堂が出してた「バーチャルボーイ」も同じジャンルに入る。

Eye-TrekHMZ-T3

 さらに、ここ数年ではグーグルの「Google Glass」やエプソンの「MOVERIO」シリーズなど、ウェアラブル(身につけられる)コンピューターの流れに乗った「スマートグラス」が登場してきた。こちらは、現実空間に何らかの情報を重ねる見え方(AR、拡張現実)だ。

Google GlassMOVERIO BT-200

 そうした既製品と比べて、Oculus Riftが決定的に違うのは没入感の高さと言える。対角110度という人間の視界をほとんど覆ってしまう視野角を有しており、かぶると端から端まで映像で埋め尽くされるのが圧巻だ。ジャイロ・加速度・磁気センサーを内蔵し、頭の向きを検出してくれる(ヘッドトラッキング)点も特徴だ。例えば、首を左右にふればあたりを見渡せるし、上を見上げれば空が表示される。コントローラーを手で操作することなく、普段と同じ感覚で映像の世界を堪能できるのだ。

Oculus RiftのDK1

 視界を全部覆う+ヘッドトラッキングを実現したHMDは過去にも存在していたが、Oculus Riftがスゴかったのは、スマートフォンの普及で安価になったセンサーや液晶などの部材を活用して、目新しいデバイスに飛びつく開発者の手に届く範囲でハードウェアを作り、ソフトウェアの開発も可能にしたことだ。現在は開発者向けキットが売られている段階だが、これも300ドル(約3万円)である。

 平面のディスプレーでは絶対に得られない、全天周映像という新しい感覚が安価に手に入るとあって、昨年春に発売した初代の開発版(DK1)は5万5000台以上も出荷されたという。

 さらに、日本時間の3月20日には、新型となる「Development Kit 2」(DK2)を発表した。ディスプレーにフルHDの有機ELパネルを採用して、残像感などを大幅に減らした。ヘッドマウント側に赤外線LEDを埋め込み、外部のカメラで検知することで、頭の向きや傾きだけでなく位置も検出できるようになった。発売は7月で、価格は350ドル。こちらも開発者向けにも関わらず、最初の36時間で1万2500台の予約が入ったという情報もあった。

Oculus RiftのDK2
有機ELパネルの前に2つのレンズが入っており、装着すると両目用に2つ並べた映像が視界いっぱいに広がるようになるヘッドマウント側に赤外線LEDがいくつも埋め込まれており、外部カメラで検出して頭の位置を特定する
DK2は、ゲーム開発者向けのイベント「Game Developers Conference 2014」にてお披露目された。会場のデモには長蛇の列ができていた

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