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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第38回

【前編】『SHIROBAKO』プロデュース 永谷敬之氏(インフィニット)インタビュー

『SHIROBAKO』永谷Pの覚悟――「負けはPの責任、勝ちは現場の手柄」

2015年07月11日 15時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko) 編集●村山剛史/ASCII.jp

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(C)「SHIROBAKO」製作委員会

後編はこちら

 アニメ業界はブラックか否か――。

 『SHIROBAKO』は、アニメ制作会社を舞台にした異色の「アニメ業界もの」だ。主人公は新人の制作進行・宮森あおい。物語には、監督、作画、CGなど、さまざまなセクションの人物が登場し、テレビアニメを作り上げていく過程が描かれた。仕事にまつわる困難や喜びを、時にコミカルに、時に感動的に描写した本作品は、放映開始と同時に大きな話題となった。

 今回登場いただいたのは『SHIROBAKO』をプロデュースした永谷敬之氏

 企画を取りまとめ、視聴者に届ける役割を担う永谷氏は、アニメ業界ものという未知の題材に苦心する。

 ひとつ間違えば「業界のマイナスイメージ」になりかねない危険性。しかもアニメ制作会社P.A.Works社長・堀川憲司氏からは“リアル青春群像劇にしたい”というオーダーが届いていた。

 ブラックで爽やか、二律背反のなかで「売れる商品」にするために奔走した永谷Pのリアル『SHIROBAKO』ストーリーと、プロデューサーとしての志を伺った。

プロフィール:インフィニット代表 永谷敬之氏

TVアニメ『SHIROBAKO』のプロデュースを担当したインフィニット代表 永谷敬之氏

 1977年生まれ。広島県出身。株式会社インフィニット代表取締役。

 スターチャイルド、バンダイビジュアルのプロデューサーを経て独立、株式会社インフィニットを設立。

 以降、P.A.Works作品『true tears』『CANAAN』『花咲くいろは』『TARI TARI』『凪のあすから』『グラスリップ』『SHIROBAKO』や、『はたらく魔王さま!』『天体のメソッド』等のプロデュースを手掛ける。


『SHIROBAKO』ストーリー

 シロバコとは映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープの事であり、ひとつの作品が完成した際に、制作者が最初に手にする事が出来る成果物である。
 イラストや写真等で華やかに作られている販売用パッケージと比べれば、白い箱に入っただけのテープは地味かもしれない。
 しかし、そこにはクリエイター達の想いが詰まっている。

 この物語は、5人の夢追う女の子を中心に、シロバコの完成を目指し奮闘するアニメ業界にスポットを当て、日々起こるトラブルや、クリエイティブな仕事ゆえに起こる葛藤や挫折、集団で作るからこそ起こる結束や衝突といったアニメ業界の日常を描いた群像劇作品である。

 そして、5人が共に目指した夢への挑戦。その先に見出す希望へと続くサクセスストーリー。

 そう、アニメの今がここにある……。

(C)「SHIROBAKO」製作委員会
(C)「SHIROBAKO」製作委員会

スタッフ
原作:武蔵野アニメーション、監督:水島 努、シリーズ構成:横手美智子、キャラクター原案:ぽんかん⑧、アニメーションキャラクターデザイン:関口可奈味、プロデュース:インフィニット、アニメーション制作:P.A.WORKS、製作:「SHIROBAKO」製作委員会

キャスト
宮森あおい:木村珠莉、安原絵麻:佳村はるか、坂木しずか:千菅春香、藤堂美沙:髙野麻美、今井みどり:大和田仁美 ほか

Blu-ray/DVD『SHIROBAKO』第7巻 初回生産限定版は7月29日発売!

Blu-ray+CD/DVD+CD
発売日:7月29日、価格:1万1800円(税抜)、収録話数:19話~21話+『第三飛行少女隊』第1話
初回生産限定版特典
・キャラクター原案ぽんかん⑧描き下ろしイラスト三方背ケース
・キャラクターデザイン関口可奈味描きおろしデジパック仕様
・劇中劇アニメーション『第三飛行少女隊』第1話
・特製ブックレット(40P予定)
・9/20実施予定のスペシャルイベント優先販売申込券

映像特典
木村珠莉制作現場潜入取材VTRその7(仮)
音声特典 オーディオコメンタリー
キャストコメンタリー(収録話のうち1話)、スタッフコメンタリー(収録話のうち1話)

■Amazon.co.jpで購入

クオリティーがスタッフへの評価とお客さんの気持ちを担保する

―― TVアニメ『SHIROBAKO』は、アニメ業界を舞台にした物語で大きな話題となりました。主人公・あおいがアニメの制作進行という立ち位置で、大勢のスタッフと一緒にアニメを作っていく人間模様は見ごたえがあり、世代を超えて大きな反響がありました。

永谷敬之氏 ありがとうございます。今日、ようやく終わりました。最終回の納品をしてきたところです。

―― え、最終回(第24話「遠すぎた納品」)の放送は今日ですよね(取材は最終話放映日に行なわれた)。あおいたち制作進行チームやプロデューサーたちが全国のテレビ局に最終回映像を納品するというお話ですが……。

永谷 物語と同様、当日納品になってしまいました。

 納品はしましたが、テレビ局が受け取る約束の時間はもう過ぎているので、あとはもうテレビ局さん次第という。僕らができることはなくなって、今は『やれることはやった』という心境です。

 と言っても、放送されないとは思ってはいないんですよ。ただ、そんなに良いことをしているわけではないので、肝に銘じておかねばという面はあります。

―― まさか、びっくりです。そんなことになっているとは。

(次ページでは、「『SHIROBAKO』は企画を成立させるのが難しいと思った」)

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