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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 第55回

【後編】クランチロールCOO ギータ・レバプラガダ氏ロングインタビュー

日本アニメだけで有料会員数1200万人突破した「クランチロール」が作る未来

2023年10月15日 15時00分更新

文● 渡辺由美子 編集●ASCII/村山剛史

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ソニーグループ会長 CEOの吉田憲一郎氏も登場した「クランチロール・アニメアワード 2023」。写真はミュージカルパフォーマンスゲストとして登壇中の梶浦由記氏

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■有料会員数1200万人突破した日本アニメ配信サービスの未来は?

 クランチロールが今年、最も日本のアニメ業界にインパクトを与えたのは「クランチロール・アニメアワード 2023」だろう。今回が日本初開催というアワードの会場はグランドプリンスホテル新高輪「飛天の間」。日本アカデミー賞でも使用されており、国内エンタメ式典の会場としてはトップクラスの格式を持つ。

 来賓客400名以上、3時間にも及んだ式典のフォトセッションでは、ソニーグループ会長 CEOの吉田憲一郎氏が登場し、クランチロールのプレジデント、ラウール・プリニ氏と肩を並べた。

 ソニーグループの本年度決算発表では“『鬼滅の刃』を手掛けるアニプレックスとクランチロールの連携”が記されており、これは日本アニメへの影響が強まることを意味している。

 前回に引き続き、クランチロールのチーフ・オペレーティング・オフィサー、ギータ・レバプラガダ氏に同社の戦略についてうかがっていく。

クランチロールのチーフ・オペレーティング・オフィサー、ギータ・レバプラガダ氏へのロングインタビュー、後編をお届けします

■これはアニメファンのための賞と式典だ

―― 前回は、『鬼滅の刃』のタイムズスクエア広告やクランチロール・アニメアワード 2023を大規模に開催した理由について、「“ニッチ”と言われていた日本アニメが成長した姿を、世界中の人たちに華やかに見せていく」というプロモーションの意図である旨をうかがいました。

 今回はまず、日本で初開催され業界でも話題となったクランチロール・アニメアワード 2023(2023年3月4日開催)についてあらためておうかがいしたいと思います。本アワードの概要と、具体的な目的をお聞かせ下さい。

ギータ クランチロール・アニメアワードは、クランチロールとユーザーが日本アニメから優れた作品を選んで表彰する、私たちにとって重要な祭典です。これまでロサンゼルスとサンフランシスコで開催してきましたが、2023年はついに日本で開催できました。

■日本アニメ業界の規模を超えた豪華祭典「クランチロール・アニメアワード 2023」

 クランチロールが開催したクランチロール・アニメアワード 2023には筆者もプレス記者として参加。会場には日本のアニメ関係者のほか、アメリカから映画監督ロバート・ロドリゲス氏、俳優のフィン・ウルフハード氏、アメリカンフットボールのエイダン・ハッチンソン選手など、アニメ好きとして知られるセレブリティが登場した。

 オレンジカーペットでのフォトセッション中盤には、ソニーグループ会長 CEOの吉田憲一郎氏が登場。クランチロール プレジデントのラウール・プリニ氏と並ぶと、各媒体からひときわ大きな目線コールとシャッター音が鳴り響いた。日本のアニメに関する式典としてこれほど大規模なものは国内初と言える。

 一方で、受賞作にはアニメファンの支持する娯楽作品が多く並んだ。アヌシー映画祭、日本アカデミー賞アニメーション作品賞などで重視される“芸術性”とは異なる軸で選ばれているのがクランチロール・アニメアワードの特徴の1つだ。

―― 格式を感じさせる授賞式でしたが、受賞作品を見ると『鬼滅の刃 遊郭編』『進撃の巨人 The Final Season Part 2』など世界的なメジャー作と並んで、『リコリス・リコイル』『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』など、“アニメファンの生の声”が反映された娯楽性の高い作品も多く、少し驚きました。これまでアニメ作品に与えられる賞は、芸術性や格調の高さを評価されることが多かったので。

ギータ アワードが“アニメファン向け”だというのは我々も感じています。

 クランチロールに集うアニメファン自身が好きな作品に投票していくスタイルなので、ファンの興味や好みがそのまま反映されていて、ファンのみなさんが運営しているといっても過言ではないくらい、ファンがドライブ(推進)するイベントになっています。

 私たちは、アワードをアニメファンのための祭典と位置づけており、アニメに関するすべてのことを祝うようなお祭りにしたいと考えました。だから投票の対象作品は“すべてのアニメ”にすることが大事だと思っています。それはクランチロールで配信している作品に限らず、です。

―― 確かに“すべてのアニメ”でしたね。アワードの大賞「アニメ・オブ・ザ・イヤー」の発表で、『サイバーパンク エッジランナーズ』の名前が読み上げられたとき、プレスルームでは「おおー」と、どよめきの声が上がりました。Netflix独占配信作品ですからね。

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