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ASCII.jp働き方研究所 第3回

クラウドワークスのプロフェッショナルが語る新しい働き方

人はクラウドソーシングで食べていけるのか?4人の先人に聞く

2015年05月11日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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自分を律するのが重要 クラウドワーカーの1日とは?

大谷:1日どんな感じで仕事をやっているか教えてください。

良:僕は歳いっているので、朝早くです。23時に寝ると、3時くらいに目が覚めるので、4時前にはパソコン開いてますね。朝は静かで、沖縄はけっこう鳥が鳴くんですよ。すごく気持ちいいです。そんな中、午前中にバーっとラフを作って、午後くらいに仕上げる感じ。おそらく14時間くらい働いてますが、あっという間です。

「沖縄はけっこう鳥が鳴くんですよ。すごく気持ちいいです」(良さん)

美羽:私は会社員と同じ生活リズムで過ごしたいと思っているので、朝9時くらいに起きて、午前中はタスク管理とメールチェック。午後から19時くらいまでもくもくと仕事をしつつ、あとは家事とプライベートです。土日も休んでますし、気分が乗らないときは平日も休んでます。

ねことろ:私も5時くらいに起きて、出社まで2時間くらいコンペ参加やデザインをやります。やっぱり、朝は頭が冴えているので、いいデザインが出てきます。8時に出社して、お昼の2時間の休みの間でメールチェックや仮眠。17時まで仕事したあと、30分くらいジムで体を動かして、20時くらいから2時間くらいデザインして、就寝という感じですかね。日曜日や祝日はほとんどデザインの仕事やってます。

tenamonya:私は起きている時間ほとんど仕事。8時半くらいに起きて、メールやコンペのチェック。1人でやっているので、好きな時に休憩できますしね。

大谷:ここまで話を聞いて、みなさんに共通しているのは、自分で自分を律することができるということですね。私はここまでは無理です(笑)。

tenamonya:そうしないと、仕事来ないですからね。

クラウドソーシングの課題は発注者側にあり?

大谷:仕事をとるために努力しているところはありますか?

ねことろ:クラウドワークスの場合、受注した仕事の数がけっこう大きく載るんです。発注する側はまずはそこを見るだろうと思ったので、小さな仕事でもとにかく数をこなすように心がけました。自分でできそうな仕事はコンペでとるし、コンペ以外の募集にも自分からとりにいきました。

美羽:私はコンペ参加しない派なので、興味のあるプロジェクト形式の案件に応募するスタンスですね。「こういう趣旨のホームページをいつまでに作りたい」というのが細かく書いてあると、やりとりが進みやすいなと思って、積極的に応募していきます。でも、単純に「ホームページを作りたい」という1行だけだと逆に不安になりますね。案件に書かれている情報量によって、担当者がどの程度知識があるかが判断できる部分はあると思います。

御手洗:クラウドソーシング以前と以後で仕事のやり方は変わりましたか?

クラウドソーシング以前と以後で仕事のやり方は変わりましたか?(御手洗)

良:以前、インテリアデザインやっていたときは、地元の事務所と2~3回くらい打ち合わせして、仕事をやっていました。今はメールとWebだけなので、こうした人と面と向かった仕事ではなくなりましたね。「うれしいです!最高です!」というメッセージが来ても、その人がどんな人かはわかりません。

御手洗:それは効率的という言い方が正しいんですか?

良:効率的と言えば効率的。ただ、やっている方として不満が残る場合もあります。

tenamonya:私はそんなに変わらないです。昔は直接の打ち合わせが多かったですが、最近はメールがほとんどなので。それが知っている人なのか、知らないだけかの違い。だからクラウドソーシングって受発注の仕組みが違うだけとも言えます。

大谷:クラウドソーシングって顔の見えない仕事になると思うのですが、苦労はありますか?

美羽:最初は実績を作ろうと思ってがむしゃらに応募していたのですが、担当者との相性が悪いと意思疎通ができなくてストレスが溜まることもありました。でも、自分が引き受けた案件だから中途半端なことはできない。だから、辛くても納品までがんばりました。今は契約する前に「契約してトラブルに遭わないか」など、判断しながら仕事を請けるようになりましたね。

良:私も同じですね。会社のロゴが多いので、仕事の詳細にきちんと書いてあると助かりますね。いい加減に「会社ロゴ」だけだとダメ。社名も書いてないところありますからね(笑)。

一同:(同意)

良:そういう場合は、うちから「社名を教えてください」とメールします。

ねことろ:発注のときは、個人宛にメールが来るので、そこで社名ゲットしますね(笑)。

大谷:うーん。金額の問題ではなく、そこは発注する姿勢としてどうなんでしょうね。

良:そこは発注者の意識をもう少し高めてください、もう少し発注内容の詳細を入れるようにしてくださいとクラウドワークスさんにおねがいしました。

(次ページ、発注側も発注のやり方がわからない?)


 

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