Maxwellアークテクチャーなので
ワットパフォーマンスも良好
最後に消費電力をチェックしよう。計測は「Watts Up? PRO」を使い、システム起動10分後および「3DMark」の“Fire Strike”デモ中の同一シーンで計測している。
GTX980レビュー時にKepler世代のGPUに比べ圧倒的に省電力だったことが分かった感動に比べれば、今回のGTX960は少々インパクトに乏しい結果となった。
しかしGTX760やGTX660Tiよりも省電力である、という事実に変わりはない。1~2世代前よりも性能がアップしたのに約20Wも省電力なら、最新ミドルレンジGPUとしては十分成功といえるだろう。
GTX960はゲーミングPCに最適のチョイスだ
GTX960はSP数やメモリーバス幅に数値的なハンデはあるものの、第2世代Maxwellベースゆえに既存のミドルレンジGPUをしのぐワットパフォーマンスを発揮した。さすがに4K解像度では描画の軽いタイトルに限定されるが、フルHD環境なら重量級ゲームでも平均60fps近くまで引き出せる。
GTX760ユーザーが焦って買い替える程の性能差はないものの、省電力性や準ファンレス仕様といった付加価値も備えているため、快適なPCゲーミング環境構築用の新定番として人気が出ること間違いない。
一番気になるのは価格だが、米国の想定価格は199ドル、国内では2万円中盤~3万円中盤になる模様だ。昨今の為替相場を見ればかなり割高なように感じるが、現在流通しているGTX760とほとんど変わらない。
無論今後GTX760は値崩れすると予想されるため、相対的なコスパは悪化するものの、無茶な価格設定というよりは、従来とほぼ同じ感覚で買える製品という印象だ。ライバルAMDも価格的には頑張っているが、省電力性や静音性という土俵ではマトモに張り合える製品はない。
つまり値下げの外圧がほとんどない状況を考えれば、GTX960Tiのようなバリエーションモデルも当面出てきにくいだろう。あらゆる意味においても、GTX960は3万円台ミドルレンジGPUのスイートスポットを完全押さえてしまった製品といえる。
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