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最新パーツ性能チェック 第167回

「GeForce GTX 980/970」が誇る究極の性能とワットパフォーマンス

2014年09月19日 11時30分更新

文● 加藤 勝明

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 9月19日、NVIDIAはMaxwell世代のアーキテクチャーを採用し、DirectX12も対応した新ハイエンドGPU「GeForce GTX 980」(以下、GTX980)および「GeForce GTX 970」を正式に発表した。

GeForce GTX 980

米国での予想価格はGTX980が549ドル、GTX970が329ドルであり、日本国内での初値はそれぞれ7万円/4万円となる模様だ。

 NVIDIAは今年2月に低価格ミドルレンジで最初のMaxwell(GTX750/750Ti)を投入し、そのワットパフォーマンスの高さを見せつけたものの、GTX760より上のGeForceはKepler世代のままだった。それがGTX970/980の登場で、高性能GPU選択の基準が大きな変化を迎えようとしている。

GeForce GTX 980

GeForce GTX 970

 今回はGTX980のリファレンスカードを借りられたので、早速ベンチマークを交えてテストしてみたい。

SP数は少ないが、TDPは165Wに大幅減
夢の低発熱&高性能GPUか?

 まずはGTX970/980のスペックをチェックしてみよう。

スペック比較表

※訂正:NVIDIAの誤表記により、GeForce GTX 970のROP数を誤った数値で掲載しておりましたので、正しい数値に訂正しました。

「GPU-Z」によるリファレンスカードの情報表示。Bus interface欄の末尾が“@x16 1.1”-PCI-E Gen1接続-となっているが、これは省電力動作のため。GPUに描画負荷をかけると3.0表示に変化する

 まず注目すべきはストリーミングプロセッサー(CUDAコア)数がGTX780より256基少ない2048基構成である点だ。CUDAコアを小さなコントロールロジックでまとめ、Keplerより少ないCUDAコアでも処理効率を上がるのがMaxwellの設計上の特徴だが、今回のGTX970/980もMaxwellの仕様もこれにならったものだ。

GTX980のブロックダイヤグラム。GTX980のSMは、GTX780より256基少ない2048基構成である

 ただしGTX970/980ではCUDAコア128基まとめたブロック(SMM)の共有メモリーを64KBから96KBに増やすなど、回路レベルでのテコ入れも入っている。そのためNVIDIAは今回のGTX970/980のコアを“第2世代Maxwell”と呼び、既存のGTX750/750TiのMaxwellの進化形であると表現している。

SMMの共有メモリーを64KBから96KBに増やしている

 しかしCUDAコア数が減った分コア/ブーストともに動作クロックは上がっている点も見逃せない。GeForceのハイエンドでコアクロックがギガヘルツ台に乗ったのはGTX680以来久しぶりだが、同時に消費電力や発熱の増大も心配だ。

 しかしこれだけクロックを盛ったにも関わらず、GTX980でさえTDPはわずか165Wと驚異的に低い。GTX760のTDPが170Wなので、それよりも低消費電力というのはにわかには信じがたいが、実際にカード上の補助電源はGTX680や760と同じ6ピン×2構成となっている。そのため推奨電源出力は500Wと、GTX780の600Wに比べて導入のハードルが下げられているのだ。

→次のページヘ続く (第2世代Maxwellで追加された新機能

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