このページの本文へ

なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第15回

悪役たちの秘密会議? 仮面舞踏会なIT用語

2013年05月16日 18時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

回答編


IPマスカレードというのはプライベートアドレスとグローバルアドレスの変換技術ですね。インターネット上の端末と通信するにはグローバルアドレス……電話でいう外線番号みたいなものが必要ですが、家庭内の全端末に外線番号を振るのは難しいので、代わりにプライベートアドレスという内線番号みたいなものを持たせる。

この両者をうまく変換する仕組みがIPマスカレードです。


まぁそうね★ ちなみに似たような技術でNAT(*2)ってのがあるけどアレとの違いは?★ 説明できる?★。


NATは基本1:1じゃなかったでしたっけ? プライベートアドレス一個につきグローバルアドレス一個だけが変換できる。だからプロバイダから払い出されるアドレスが一つだけだと二台以上の端末を同時に通信させることができない。でもIPマスカレードは複数端末でグローバルアドレスをシェアできる。つまり1:n変換ができるわけです。


どうやって?★


え?


NATは『このプライベートに対応するグローバルはこれ』って、あらかじめ決めておくわけでしょ?★ じゃあマスカレードはどういう設定をしておくの?★ 複数繋がれるってことは、どの端末と通信を確立したらよいか決められないってことじゃない?★


えー……あー……それは……。


………。


気合いで?


えい★(ぷすっ)


ぎゃぁああああ! 目がぁああ、目がぁぁあああ!


こんな基本的なことも分からないなんて★ もう、お仕置きしちゃうぞ★


真顔でその口調、マジ怖いんでやめてください! ちょっと待って下さい。今調べますんで……えー、あ、分かりました。ポート番号です。TCP/UDPのポート番号を端末毎に変更してグローバルアドレスとひもづけるんです。ネットワークアドレスとポート番号の変換、すなわちNAPT(Network Address Port Translation)がイコールIPマスカレードってわけです。


そうね、もともとはNAPTってのがこの機能の正式名称★ ただLinux(*3)のNAPT実装名であるIPマスカレードが広く使われるようになって、いつの間にかゴッチャになっちゃった感じね★ 下手するとNATとNAPTもごちゃ混ぜに使ってるケースがあるから、もうそうなると何がなんだかって話だけど★。


なるほど……ってかNAPTを実装しようとして、その機能に仮面舞踏会(マスカレード)なんて名前をつけちゃうLinuxエンジニアさんは大概中二病な気もするんですが。


まぁ内部のアドレスを別アドレスで隠蔽して外と通信させるわけだから、仮面舞踏会って見立てはあながち間違ってないけどね。でも思ってても普通そういうネーミングってできないわよね。一般人は


はい……ってあれ? 口調が戻ってる?


ちょっと他にも色んなキャラを模索した方がいいかなと思って。本場のマスカレード(仮面舞踏会)でも笑ってる仮面だけじゃなくて怒り顔とか泣き顔とか色々あるでしょ? だからとりあえず全て語尾に(暗黒微笑)をつけてみることにしようかなと。


え、あの、ちょっと?


じゃあ桜坂、ご飯食べに行きましょうか(暗黒微笑)


無理です! 怖いです、お願いだからもう無茶なキャラ換えとかやめてくださいー!


(*2) NAT:Network Address Translation(ネットワークアドレス変換)
(*3) UNIXライクOS。デスクトップからサーバ用途まで幅広く使われている。


【解説】

IPマスカレード
LinuxにおけるNAPTの実装名。TCP/UDPポート番号とアドレスの組み合わせで複数端末によるグローバルアドレスのシェアを可能とする。現在はほぼNAPTの意味で使われている。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン