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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 最終回

初代「Pocket WiFi」から始まったモバイルルーターを振り返る

2013年05月09日 12時00分更新

文● 正田拓也

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連載第1回で紹介した「Optimus bright L-07C」。スマホのテザリングについて紹介した

連載第1回で紹介した「Optimus bright L-07C」。スマホのテザリングについて紹介した

 2011年7月から開始した本連載だが、今回が最終回となる。近年はスマートフォンのテザリングが一般化し、モバイルルーターも話題の表舞台からは遠のいた雰囲気もある。そこで、モバイルルーターの歴史を振り返ってみたい。

モバイルルーター登場から3年半
当初からSIMフリーやMVNO対応だった!?

「Pocket WiFi D25HW」

イー・モバイルの初代「Pocket WiFi」である「D25HW」

 モバイルルーターが最初に大きく話題となったのが、イー・モバイルの初代「Pocket WiFi」となる「D25HW」で、登場したのは2009年の秋。それからすでに3年半が経っている。その前はUSB端末をそのまま使うか、USB端末を接続してモバイルルーター化する製品がいくつか存在していた。

 NTTドコモで使えるモバイルルーターが登場するのは2010年。後にドコモブランドで「BF-01B」として登場する、バッファロー製の「DWR-PG」だった。さらに記憶に残っているのが、同時期にSIMフリー版としてNTT東日本から提供された「PWR-100F」もある。

「PWR-100F」

NTT東日本が提供した「PWR-100F」

 PWR-100Fはイー・モバイルの周波数帯にも対応。なぜか動作保証なしとなっていたがドコモのSIMも使えた。モバイルルーターとして本格的なブーム到来前のドコモ回線を使ったMVNOのSIMも利用できた。

 フレッツシリーズのネット回線契約者限定だが、月額315円でいつでもレンタル契約を解除できるという利用料設定から、多くの先進的なユーザーが飛びつき、レンタルも予約待ちがあったと記憶している。

 そして、ドコモの「Xi」(LTE)の大々的な店頭キャンペーンに加え、ソフトバンクの「ULTRA SPEED」のTVCMの投入、Androidタブレット端末のブームの到来に合わせたセット販売により、一気に街で見かける(アクセスポイントの電波を受信できる)ようになったのが2011年秋くらいとなる。

 実はこの少し前、ひっそりと始まったのがドコモのテザリング。FOMAでのテザリングは当時はさらに高い料金設定で、今ほど実用的ではなかったが、当連載も最初に飛びついて紹介している(関連記事)。

高速化が進んだデータ通信
反比例して回線の混雑が問題に

その速度に驚かされた「ULTRA WiFi 4G SoftBank 101SI」

その実測値に驚かされた「ULTRA WiFi 4G SoftBank 101SI」

 当連載といえば、毎回の速度計測を行なっているとおり、高速化されたサービスを紹介してきた。ドコモのLTEのモバイルルーター登場が2011年夏、2012年はじめにはソフトバンクがAXGP方式による高速サービス「SoftBank 4G」を開始し、爆速ぶりが記憶に新しい。

 ドコモ、ソフトバンクに限らず、高速通信サービスが出揃ったのがこの頃。イー・モバイルのLTEも開始され、開業時から手軽か高速通信を提供していたWiMAXも上り速度のアップが行なわれた。auはWiMAXの高速通信が可能ながら3Gにも対応してエリアの問題をカバーする「Wi-Fi WALKER」が好評だった。

 一方で、ユーザー数の増加による回線混雑が見受けられるようになり、さらに2012年10月からドコモのLTEで7GBという月間通信容量に上限が設けられるようになると、容量の悩みやオフロードという問題が浮上してきた。

 ドコモは「docomo Wi-Fi」の永年無料キャンペーンを行ない、通常利用しているユーザーはdocomo Wi-Fiが無料で使えるようにし、データのオフロードを実現するとともに、場所が限定されるものの混雑時でも高速な通信ができるようにした。

有線LAN端子搭載のクレードルが用意される「BF-01D」

有線LAN端子搭載のクレードルが用意される「BF-01D」

 残念ながら1機種だけとなるが、自動ログインに対応し、上流回線を自動的にドコモWi-Fiに変更してくれるモバイルルーター「BF-01D」が登場し、データのオフロードも簡単になった。しかし、その後登場した機種は、上流に無線LANを利用できるもののドコモWi-Fiの自動ログインには対応していない、

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