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速くて便利! 実測でわかるモバイルデータ通信 第1回

モバイルPCに必須!? NTTドコモの“テザリング”を試す

2011年07月22日 12時00分更新

文● 宇野貴教

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 今やビジネスマンには必携とも言えそうな勢いで普及しているスマートフォンであるが、それだけで仕事が完結できるケースはあまりないだろう。ドキュメントを作成したり、画像を編集したりといった場面ではやはりPCが必要であり、それはモバイル環境であっても同じである。

 会社の外で仕事をこなすのに必要なのは、高速なデータ通信回線である。本連載は最新のスマートフォンやデータ端末などをPCと組み合わせて使い、身近な場所で実際に回線速度を計測してみよう、というものだ。今回はスマホの「テザリング」機能を試してみたい。

テザリングってナニが便利なの?

今回使用したのは、4型(480×800ドット)のIPS液晶を搭載する「Optimus bright L-07C」(LG電子製)

今回使用したのは、4型(480×800ドット)のIPS液晶を搭載する「Optimus bright L-07C」(LG電子製)

 テザリングとはスマートフォンで接続したインターネットを、Wi-Fiなどによりほかのデバイスで接続し共有することである。簡潔に言えば「スマートフォンをモバイルルーター代わりにして、PCなどでインターネットに接続する」ための機能で、テザリングとノートPCを活用すればいつでもどこでもインターネットが可能になるわけだ。

 「スマートフォンがあれば普通にPC向けWebサイトを見ることができるのに、わざわざ街中でパソコンを使ってインターネットに接続する必要があるのか?」と疑問を持つ人もいるだろう。

 これは実際にスマートフォンを使っているならわかるだろうが、(PC用の)Webサイトを見るならPCのほうが圧倒的に使い勝手がいいのだ。スマートフォンだと1画面内に表示できる情報量を多くすると文字が小さくて読めず、かといって文字を大きくするとWebサイトのほんの一部しか表示できずスクロール操作が多くなる。インターネット検索も文字入力が煩雑だし、膨大な検索結果から目的のサイトを探すには小さな画面では時間がかかる。

 また、いつでもどこでもパソコンでインターネットに接続できるという安心感も捨てがたい魅力。出張、旅行、帰省などの理由でしばらくPCからインターネットが使えないという状況も大丈夫なわけだ。

 PCだけでなく「プレイステーション・ポータブル」などのゲーム機や、無線LAN内蔵のタブレット端末などでも利用できる。ネットを使うデバイスは増える一方なので、最新デバイスを好んで使う人にも便利になるだろう。

薄さ9.5mmの本体。重量も112gと軽量だ

薄さ9.5mmの本体。重量も112gと軽量だ

本体上部には電源ボタンとmicroUSB端子、イヤフォン端子がある。中央のmicroUSB端子はスライド式カバーで隠せる

本体上部には電源ボタンとmicroUSB端子、イヤフォン端子がある。中央のmicroUSB端子はスライド式カバーで隠せる

バッテリーは1500mAhのものを採用。連続待受時間は約340時間、連続通話時間は約300分(ともに3Gの場合)

バッテリーは1500mAhのものを採用。連続待受時間は約340時間、連続通話時間は約300分(ともに3Gの場合)

本体は白(または黒)だが、気分に合わせて色を選べる着せ替えカバーを同梱する

本体は白(または黒)だが、気分に合わせて色を選べる着せ替えカバーを同梱する

 というわけで、テザリングは便利な機能であるが、実際の使い勝手や通信速度が気になるところである。そこで今回はNTTドコモの夏モデル「Optimus bright L-07C」を用いた接続テストを行なってみた。

 テザリングで接続するデバイスは富士通のノートPC「FMV LOOX U/C40」。CPUにIntel Atom Z530(1.6GHz)を用いた小型ノートで、価格重視ネットブックの平均的なスペックのものである。

テザリングの設定方法

メニューから「設定」をタップする

メニューから「設定」をタップする

「無線とネットワーク」をタップ

「無線とネットワーク」をタップ

テザリングをオンにする場合は「ポータブルWi-Fiアクセス」のチェックを入れる。初回設定時はその下の「ポータブルWi-Fiアクセスポイント設定」をタップする

「ポータブルWi-Fiアクセスポイント設定」ではSSID名、セキュリティ方式とパスワードを設定する

「ポータブルWi-Fiアクセスポイント設定」ではSSID名、セキュリティ方式とパスワードを設定する

 テザリングの方法はOptimus brightで「ポータブルWi-Fiアクセス」を有効にすればいい。これは「設定」の「無線のネットワーク」内にあり、事前にネットワークSSID名とセキュリティパスワードを指定しておく必要がある。セキュリティの種類はWPA/WPA2 PSKを設定できる。パソコンなどアクセスするデバイスは、無線LANの接続先としてこれらを入力するだけで、特に難しいポイントはない。

PC側からOptimus brightにアクセスしたときの状態。PCとOptimus bright間の通信速度は65Mbpsで接続されている

PC側からOptimus brightにアクセスしたときの状態。PCとOptimus bright間の通信速度は65Mbpsで接続されている

PC側で設定する項目はセキュリティの種類とパスワードのみ。これ以外はデフォルトのままで通信が確立する

PC側で設定する項目はセキュリティの種類とパスワードのみ。これ以外はデフォルトのままで通信が確立する

 Optimus brightはFOMAハイスピードに対応しており、通信速度の理論値は下り最大7.2Mbps、上り最大5.7Mbpsである。今回はさまざまな時間帯や場所で最高速度のチェックを行なったが、下り(ダウンロード)の最高速度は2.2Mbpsほどであった。

 この数値をマークしたのは深夜という利用者の少ない時間帯。昼間は1.5Mbps前後で計測値がふらつくことが多く、やはり基地局の状況やFOMA網の混雑具合で数値は変動するようである。

 これだけの速度が出ていればWebの閲覧速度は問題なく、画像も巨大でなければスムーズに表示される。YouTubeの動画はHDサイズだとバッファリングが多少追いつかないが、SDサイズであればまったく問題ない。Web閲覧や動画再生を利用できる速度に十分なレベルである。

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