小さくて本格的なアンプを求める時代がきた
アンプが大きくて今のスピーカーに釣り合わない。だから音楽を聴く人はヘッドホンの方に行ってしまった。そういうお二方のお話は、恐ろしいほど私自身の体験に当てはまる。
1980年台は一人で持てないアンプやスピーカーにお金をかけ、1990年代になって小型で高性能なスピーカーが現れると、一人で持てないスピーカーを棄て、それらを試してみようといくつか買ってみた。そして2000年代になってソースはPCに移行。操作や機器レイアウトを考えると、アンプもPCのある机の上に置きたい。でも大きすぎて邪魔。その結果、ヘッドホンやイヤホンは沢山買ったものの、アンプとスピーカーは押入れに仕舞って、10年以上経つ。
それが急に変わったのは、小型のワイヤレススピーカーや、OlasonicのUSBスピーカーが出てきたつい最近の話。それでスピーカーで聴く気持ち良さを再発見した。さらに昨年の暮れにはKORG DS-DAC-10が現れ、DSDのようなハイエンドソースがPCで再生できるようになった。だから、そろそろ小さくて本格的なアンプが必要なんだろう。そう思っていた所にNANOCOMPOシリーズがやってきたわけだ。
コンポーネントシステムなので、人それぞれのセットアップがあると思う。4月末の発売までまだ時間があるので、一緒に使うスピーカーの品定めをして準備しておくのもいいと思う。私は押し入れの奥のスピーカーを引っ張りだそうと、今まさに部屋の片付けを始めたところ。
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。
この連載の記事
-
第164回
トピックス
より真空管らしい音になるーーNutubeの特性と開発者の制御に迫る -
第163回
トピックス
超小型ヘッドアンプ「MV50」のCLEANは21世紀の再発明だった -
第162回
トピックス
欲しい音を出すため――極小ヘッドアンプ「MV50」音色設定に見る秘密 -
第161回
トピックス
最大出力50Wのヘッドアンプ「MV50」は自宅やバンドで使えるのか? -
第160回
トピックス
新型真空管「Nutube」搭載ヘッドアンプのサウンドはなにが違う? -
第159回
トピックス
開発で大喧嘩、新型真空管「Nutube」搭載超小型ヘッドアンプ「MV50」のこだわりを聞く -
第158回
トピックス
唯一無二の音、日本人製作家の最高ギターを販売店はどう見る? -
第157回
トピックス
「レッド・スペシャルにないものを」日本人製作家が作った最高のギター -
第156回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターを日本人製作家が作るまで -
第155回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターは常識破りの連続だった -
第154回
トピックス
てあしくちびるは日本の音楽シーンを打破する先端的ポップだ - この連載の一覧へ