Retinaではないが、見やすいディスプレー
iPad miniの7.9インチディスプレーはIPS方式を採用しており、解像度は1024×768ドット、1インチ当たりのピクセル数を示す画素密度163ppi。Retinaディスプレイではないため、画面の精細さはiPhone 5(326ppi/1136×640ドット)やiPhone 4S(326ppi/960×640ドット)よりも劣るが、物理的な大きさもあっておよそ50〜70cm離してみる場合は、あまり気にならない。
これは、iPad miniを持ち、軽く腕を曲げた状態の距離で、7.9インチの大きさに対して無意識に取る距離に近い。最初は筆者だけかと思ったが購入者たちの様子を見ていた限り、一様に50〜70cmほど離しての運用になっていた。ただし、細かい文字ではやはり文字がややかすれているように見えてしまうため、ピンチアウトの操作やダブルタップで拡大表示する必要が増えるだろう。
また、サブディスプレー代わりにウェブサイトやメールを表示する場合もほどよい視界占有率だと感じた。iPadだとでかくて気になるのだが、iPad miniの場合は“チラ見”しやすい。辞書をノートPC近くに置きながら作業をしているときに近いとでもいおうか。
タッチ入力は分割表示or両親指入力が正義か
サイズダウンに伴い、フルキーボードでの入力が窮屈になるのは必然で、従来のiPadやハードウェアキーボードのように、五指を使っての入力はだいぶ厳しい(小学生くらいまでは大丈夫だとは思うが)。どちらかというと、分割キーボードを活用して、両親指によるフリック入力であればスムーズといった印象がある。この辺りは手の大きさによってだいぶ印象が変わる部分だ。
先に書いておけば、iPad miniで長文をガシガシと入力したいならBluetooth接続のハードウェアキーボードは必須。変換候補表示レスポンスも比較的よく、たまに少しもたつくがクリティカルなストレスには直結しないだろう。
縦画面時であれば、両手持ちでの両親指によるローマ字入力もとても快適で、分割表示によるフリック入力が苦手な人も使ってみるといい。また人差し指でのローマ字入力同様にスムーズ。横画面時でも分割キーボードを使った両親指入力は可能だが、机やヒザの上に置いて安定させた状態にしないと、重量が気になってしまうはずだ。現時点だと横画面時のキー入力はやりにくいとしか感じていない。