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ただ「つくる」でなく「意味あるモノづくり」で差を!

小さな「iPad mini」が、他社タブレットとiPadの間に大きな水をあける

2012年10月25日 10時00分更新

文● 林信行

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怒濤の新製品発表

 「iPad mini」の発表だけで終わると思っていた人は完全に裏切られた。サンノゼのカリフォルニアシアターで開催されたApple Special Eventでは、本体製品だけ数えても「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」「Mac mini」「iMac」「第4世代iPad」(「iPad Retinaディスプレイモデル」)、iPad miniと合計5製品。さらに、日本語縦書き表示や、新たなスクロール表示にも対応した電子書籍アプリ「iBooks」が発表され、iBooks向けの本が簡単に作れる「iBooks Author」も新しくなった。また周辺アクセサリーでは、Lightning端子に対応した「Camera Connection Kit」やHDMIアダプター「Lightning Digital AVアダプタ」、VGAアダプター「Lightning - VGAアダプタ」なども発表されている。

「iPad mini」

「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」

「Mac mini」

「iMac」

第4世代iPad(「iPad Retinaディスプレイモデル」)

日本語縦書き表示や、新たなスクロール表示にも対応した電子書籍アプリ「iBooks」

TwitterやFacebookとの連携機能も追加された

 そしてアップルは、このたった1時間のイベントの最中に、Windows 8搭載PCの華々しいデビューと、「Nexus 7」や「Kindle」といった流行の7インチタブレットのすべてに一撃を加え、話題をさらってしまった。

 もしかしたら、ASCII.jpを読みこなすテクノロジーに詳しい読者なら、「最近の強すぎるアップルより、他のブランドのものを」と思うのかもしれない。しかし、テクノロジーに詳しくない自分の家族が喜ぶタブレット、恋人に勧めて感謝される製品としても優れているタブレットは、どれなのだろうか。はたまた、テクノロジーに精通していない人たちが見る朝のテレビ番組での街頭インタビューで、銀座を歩く主婦やOLが製品を知っていて、ちゃんとコメントできるものといえば? 老若男女を問わず幅広い層に支持される製品とはどのようなものか考えると、判断基準も変わってくるはずだ。

 アップルは、そうした世界中の人々が関心を持つ人気製品群を刷新し、これまででもっとも魅力的な製品群へと進化させた。それも、もっともアップルらしいやり方でだ。

 今回、一番話題の製品、iPad miniから、そのアップルらしさを紐解いていこう。新製品を発表したフィル・シラー氏(Phil Schiller、ワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアVP)は、かつてスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)氏が他社のPCを痛快に批判していたように、Androidの7インチタブレットとiPad miniの根本的な違いを説明してみせた。

 そもそもiPad miniを作った理由は、誰もが快適に片手で持って操作できるiPadを作りたかったからだ。しかし、ただ小さくしただけでは、本当の使い勝手の良さは生まれない。

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