光学式ポインティングデバイスの使い勝手は微妙
ペンは電池式だが書き心地は合格点
すでに述べたように、ディスプレーのサイズは11.6型。そのためフットプリントも、おおむね11型にふさわしい幅約32cm、奥行き約20cmとなっている。重量は1.3kg程度と、サイズの割に少し重いが、特殊な機構とガラスでカバーされたディスプレーの分だと思うと、十分納得できる範囲といっていい。
「ディスプレーがスライドしてボディーの上で斜めになる」という構造上の問題から、ディスプレーはキーボードの中央から生えているような状況だ。そのため、いわゆるパームレスト部は存在しない。ポインティングデバイスもタッチパッドではなく、「Optical TrackPad」と呼ばれる光学式のものになっている。
一見スティック式のように思えるが、小さな光学センサーの上で指を滑らせて操作するものであり、動作原理も使い勝手も大きく異なる。正直、慣れるまでは相当に苦労するはずだ。筆者も試用の最終段階になって、ようやく勘所がわかってきた、というレベルである。おそらくサイズなどの問題もあり、これしか採用できなかったのだろう。
ただ、実際にDuo 11を使ってみると、このポインティングデバイスが実は「第三の存在」であることがわかってくる。メインはタッチであり、サブがペン。さらに次がOptical TrackPad……と言うと言い過ぎかもしれないが、むしろタッチで使う方が自然だと感じるほどだ。
Duo 11のディスプレーは、スマートフォンやタブレットでおなじみの、静電容量式のタッチセンサーを備えている。その操作感は、それらの機器で慣れたもの、そのものである。分解能もかなりしっかりしていて、指先でもデスクトップ画面での小さなボタンを押したり、リンクをタップしたりするのがそれほど苦ではない。そしてもちろんWindows 8の新しいインターフェース上では、指の操作は快適そのもの。
いままでのとおり、画面にまったく触れずに操作するのであれば、Optical TrackPadの操作性の悪さは大きなマイナスである。だが、タッチやペンと併用する前提であれば、これでもいいと言えるだろう。もちろん、もっと快適であったら言うことはないのだが。
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