このページの本文へ

最新パーツ性能チェック 第122回

最強SSD論争についに終止符?!

SSD買うなら「PX-M3P」で決まり! プレクの新型はマジヤバイ

2012年03月03日 11時00分更新

文● 藤田 忠

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

各種ベンチマークソフトで
M3 ProとM2Pの性能を比べてみる

 基本スペックのチェックのあとは、ベンチマークを使ってM3 ProとM2Pの性能をチェックしていこう。計測SSDは、前述したイチオシ容量の256GBモデル「PX-256M3P」と「PX-256M2P」を使用している。

PLEXTOR最新SSDのM3 Proシリーズの「PX-256M3P」と、高い読み書き性能と信頼性で人気を博したM2Pシリーズの容量256GBモデル「PX-256M2P」

「CrystalDiskInfo 4.2.0a」で、テストに使用した「PX-256M3P」と「PX-256M2P」のステータスを表示

 ベンチマークソフトには、SSD性能計測の定番「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」、「CrystalDiskMark 3.0.1c」、「ATTO Disk Benchmark v2.46」、「HD Tune Pro 5.00」の4種類を用意した。なお、ベンチマークはOS起動用のSSDを別に用意し、計測SSDになんのデータも入っていないクリーンな状態で実行した。
 また、テスト環境には人気の「Intel Z68 Express」チップセットを搭載するMSI製「Z68A-GD80(G3)」を使用し、OS起動用、計測SSDともにチップセット制御下のSATA3.0(6Gbps)ポートに接続している。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-2600K」(3.4GHz)
マザーボード MSI「Z68A-GD80(G3)」(Intel Z68 Express)
メモリー DDR3-1333 4GB×2枚
ビデオカード CPU内蔵(Intel HD Graphics 3000)
SSD(OS起動用) PLEXTOR「PX-128M2P」(SATA3(6Gbps)/128GB)
OS Microsoft「Windows 7 Professional SP1 64bit」

CPUは4コア8スレッドの「Core i7-2600K」(3.4GHz)を使用。実売価格は2万4800円前後

マザーボードはZ68チップセットを搭載するMSI製の「Z68A-GD80(G3)」をチョイス。実売価格は2万5800円前後

データ圧縮率による
読み書き性能の違いをチェック

 「AS SSD Benchmark 1.6.4237.30508」の「Compression-Benchmark」を実行して、データの圧縮率によって転送速度に違いがあるかを確認しよう。

PX-256M3P。ライト(赤の折れ線)に若干の波はあるが、全域に渡ってリード、ライトともにかなりフラットに近い

PX-256M2P。PX-256M3Pと比べるとライト(赤の折れ線)の波が若干多い。リードはM3Pと同じ傾向

 まずは、緑の折れ線で表されるリード性能だが、ともに計測開始時の0%付近が落ち込んでいる。PX-256M2Pは最大470MB/secから約100MB/sec落ちる364MB/sec前後になっているが、PX-256M3Pは最大500MB/secから約80MB/sec落ちる416MB/sec前後と落ち込み幅は減少している。
 一方、赤の折れ線のライト性能では若干の落ち込みはあるが、SandForce製コントローラーのような激しい差はないグラフになっている。PX-256M2Pのほうが、落ち込むタイミングが多く、最大値もPX-256M2Pが410MB/sec前後だったのに対して、PX-256M3Pは420MB/sec前後と確実に性能が向上していることを示す結果になった。

同じテスト環境にて計測した「Intel SSD 520」の240GBモデル「SSDSC2CW240A3K5」のテスト結果

 ちなみに、SandForce製コントローラーを搭載するIntel最新SSDの「Intel SSD 520」も参考値として計測しているが、圧縮率によって大きく落ち込んでいる……。なお、同モデルの詳細な性能は「SandForce製チップで「Intel SSD 520」は何が変わった?」をチェックしてもらいたい。

3種類のベンチで
パフォーマンスを徹底チェック

 つぎに、CrystalDiskMark、ATTO Disk Benchmark、HD Tune Proの3つを実行。PX-256M2Pを上回るPX-256M3Pの実力を計ることにした。
 なお、AS SSD Benchmarkの結果から、圧縮率の違いが転送速度に影響しないことはわかっているため、CrystalDiskMarkはデフォルトのランダムテストデータのみで行なっている。
 注目はシーケンシャルライト性能。公称値では、PX-256M2Pより20MB/sec低くなっているPX-256M3Pだが、実測ではM2Pを上回る結果も出ている。

CrystalDiskMarkテスト結果

PX-256M3Pのテスト結果。シーケンシャルリードは公称値より落ちているが、安定して500MB/secを超えている。ライトは公称値通りの420MB/secと優秀

PX-256M2Pのテスト結果。ランダム4Kや4KQD32のライトこそ、PX-256M3Pより勝っているが、差は1MB/sec~5MB/secとわずかになっている

 なお、4KQD32の結果をIPOS換算するとPX-256M3Pはリードが約7万5000IOPS、ライトが約6万8000IOPSの公称値通りの性能を発揮しているのがわかる。なお、PX-256M2Pはリード約7万1000IOPS、ライト約6万8000IOPSと公称値を上回る結果になった。

ATTO Disk Benchmarkテスト結果

 公称値に近いの結果を出すATTO Disk Benchmarkを実行。特筆はPX-256M3Pのライト性能で、公称値を上回る最大443MB/secを叩き出しており、1024KB以上のライト時はPX-256M2Pを超える結果に。

PX-256M3Pのテスト結果。リード性能も優秀のひと言で、最大540MB/secと公称値通りを出している

PX-256M2Pのテスト結果。PX-256M3Pより勝っているシーンもあるが、最大値はPX-256M3Pが上回っている

HD Tune Proのテスト結果

 HD Tune Proの「Random Access」を使用して、ランダムリード/ライト時のIOPSを計測。
 ここでも他のベンチマークと同様で、PX-256M3Pが優秀なシーンが多い。IOPS値に劇的な差は出ていないが、確実にPX-256M2Pを超える結果を出している。公称値はPX-256M2Pよりダウンしているが、PLEXTOR製SSDの魅力である高速なライト性能は、PX-256M3Pにしっかりと受け継がれていると言えるだろう。

PX-256M3Pの「Random Access(Read)」のテスト結果。最大で2万1000IOPSを計測している

PX-256M3Pの「Random Access(Write)」のテスト結果。大きな差は出ていないが、PX-256M2Pを若干上回っている

PX-256M2Pの「Random Access(Read)」のテスト結果。最大値は2万1000IOPSとPX-256M3Pと同じだ

PX-256M2Pの「Random Access(Write)」のテスト結果。差はわすかだが、「512bytes」から「Random」のすべてでPX-256M3Pの後塵を拝した

M2Pからの買い換えは微妙だが
これから買うならM3 Proでキマリ

 4種類のベンチマークソフトを使って、PX-256M3Pの性能をチェックしてきたが、確実にPX-256M2Pを超える性能を備えていると言える結果だ。
 公称値では下がっているシーケンシャルライト性能も、実測ではPX-256M2Pを上回っているので安心して購入してもらいたい。現状M3 ProとM2Pの価格差は2000円~3000円前後と大きくないのもポイントだ。

PX-M3Pは、確実にPX-M2Pを超える性能。公称値では下がっているシーケンシャルライト性能も、実測ではPX-M2Pを上回っている

 今回は性能を試していないが、下位のM3シリーズの容量256GBモデルが約3万3000円なのを見ると、例えPX-256M2Pの特価品が出ても3万円台前半くらいと予想できる。PX-256M3Pとは5000円以上の差が出ることになるが、高速化したシーケンシャルとランダムアクセス性能や5年間の保証期間といった点を考慮すると、例え5000円以上の差があってもPX-256M3Pは買いと言える。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中