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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第20回

都市から地方、社員から職人へ

「花咲くいろは」の経営術【前編】

2011年11月05日 12時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko

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 アニメ「花咲くいろは」の舞台は、石川県にある架空の温泉街。そこで力強く働く人たちの生きる姿を描いた作品だ。制作はP.A.WORKS。富山県にオフィスを構えるアニメスタジオだ。昨年で創業10周年を迎え、今回の作品も「10周年記念」と銘打たれている。

 アニメスタジオが地方にオフィスを設けているというのはなかなかめずらしいこと。「関連会社に近い」などの関係で東京近郊など大都市部に集中している会社がほとんどだ。若手社員が多いP.A.WORKSはかなりアットホームな雰囲気になっている。

 地方に拠点を置いた背景には、アニメ業界そのものへの熱い思いがあった。それは「花咲くいろは」で描かれた、働き方への姿勢にもあらわれているという。キーワードは“社員から職人へ”、そして“顔の見える評価”だ。スタジオの新しい姿を模索する、P.A.WORKS社長の堀川憲司氏に聞いた。

P.A.WORKSの富山本社スタジオ。スタジオは共用スペースが広く取られ、ゆったりとした印象。お昼ごはんの光景はとてもアットホームな雰囲気

あらすじ

 東京で育った松前緒花は、母・皐月の元を離れ、祖母である四十万スイの経営する“喜翆荘”の仲居として働きながら高校に通うことになった。喜翆荘での新しい生活と仲間は、緒花に様々な感情を気づかせていく。

 「花咲くいろは」 公式Webサイト


堀川憲司社長について

 1965年生まれ、愛知県出身。富山大学理学部在学中にアニメ業界を志し大学を中退。専門学校を経て竜の子プロダクション、Production I.Gに在籍したのち、1997年真下耕一とともにビィートレインを設立。2000年に富山県東礪波郡城端町(現・南砺市)に越中動画本舗株式会社を設立。2002年に「株式会社ピーエーワークス」に社名を変更。現在、富山本社には演出、作画部門とCG部門があり、東京事務所には演出・デザイン・制作部門が置かれている。代表作は「true tears」「CANAAN」など。


―― 『花咲くいろは』(以下『花いろ』)は、旅館を舞台に緒花たちが働くということで、テーマが「仕事」という印象を持ちました。P.A.Worksは、地方で若手の人材育成を熱心にされているアニメスタジオということで『花咲くいろは』のテーマと重なるように思いました。本作品の企画意図をお聞かせ下さい。

堀川 『花いろ』は、うちが制作するオリジナルテレビアニメーションをどんな内容にしようかと話し合っていた頃、ちょうど作品が発表される2010年は設立10周年になるということで、僕が10年間現場で若手を育てながら見てきたことをテーマとして打ち出せたらという話をしたのがきっかけですね。いくつか出た案の中で、岡田麿里さんから「旅館」を舞台に書いてみたいという提案があったんです。旅館では、いろいろな世代が働いていて、それぞれのセクションにプロがいて、みんながチームワークで切り盛りしてる。そこがアニメーションの制作現場に似ているなと。そういう意図で制作されました。

P.A.WORKS 堀川憲司社長

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