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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第71回

Let'snote Jが誇るパナソニック・チューニングの実力

2011年06月09日 12時00分更新

文● 西田 宗千佳

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 J10の快適さは起動だけにとどまるものではない。シャットダウンも速い。こちらも動画を見てもらえれば一目瞭然だが、ほんの5秒程度でシャットダウンが終わる。これなら、「休止ではなく電源を切ってもいいか」と思えるほどだ。

J10のシャットダウン時間デモ

 とはいうものの、実際には、作業中の状態を保持しておいて「すぐに続きができる」方が便利な場面も多いので、スリープや休止状態の価値が下がるものではない。J10の場合、スリープからの復帰もほぼ一瞬である。

 スリープからの復帰時には、各種デバイスの認識待ちなどが発生することもあり、画面が表示されてから利用できるようになるまで、数秒程度かかる製品が多い。ここを短くするには、各メーカーでハードに合わせて細かなチューニングを行なう必要がある。WindowsマシンよりもMacの方が復帰が速い傾向にあるのは、こうした理由もありそうだ。それでもHDD搭載のMacBook Proなどでは、復帰時にちょっと待たされることも少なくない。復帰が速かったThinkPad X1でも、トラックポイントとキーボードでは操作が認識されるまでの時間がほんの一瞬ではあるが異なる、という状況だ。

 だがJ10の復帰はまさに一瞬。ディスプレーを開いてスリープから復帰すると、間髪いれずに作業が可能な状態になっている。このあたりの、電源・起動シーケンスを含めたチューニングのうまさが、J10の完成度の高さと感じる。

[Fn]キーを押した状態で、デスクトップ上部に表示されるガイド。Fn+ファンクションキーに割り当てられた機能を画面で一覧できる

 同様に「細かな配慮」を感じるのが、同社オリジナルのソフト面での工夫だ。レッツノートシリーズは省電力設定アプレットなどの出来の良さに定評があるが、そのほかもいい。例えば[Fn]キーを押した際には、画面のような補助表示が現れ、キーを見ることなく操作ができる。ほんのちょっとしたことではあるが、操作ストレスの軽減に効果を発揮している。

 なお起動の速さについては、メインストレージからの読み込み速度に大きく依存する部分が多い。そのため、これだけのパフォーマンスが出るのはSSDを標準搭載した上位機種のみ、ということになる。

 ストレージとCPUが高速であるので、全体のパフォーマンスは非常に良好だ。Windowsインデックスエクスペリエンスは「4.3」だが、これはいつものごとくCPU内蔵GPUの評価点が低いためにすぎない。CPUとストレージの値はどちらも「6.9」と申し分ない。実にスカッとした使い心地で、「モバイル向けのビジネスノート」と考えれば、速度面ではまったく不満を感じることはないだろう。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

 バッテリー動作時間は、カタログ値で約13時間(JEITA測定法1.0による)。バッテリーベンチマークソフト「BBench」によるベンチマークテストでは、約6時間から8時間程度の動作になった。これだけ動けば数値的には問題ない。

BBenchによるバッテリー駆動時間テスト
プレゼンテーション設定 省電力設定
約6時間15分 約8時間11分

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