匂いを嗅ぐだけでは済まないヤツも……
おいしいパンケーキ屋さんがあるというので、自転車で20kmほど走って食べに行ったときのこと、帰りに駐車場で猫を発見。首輪を付けていて、逃げるでもなく近寄るでもなく、悠然と歩いている。
それは駐車場横のイタ飯屋さんの猫で、ランチタイムが終わって暇していた店の人が出てきたら、安心して寄って来てくれた。指を差し出したらやって来て“くんくん”。
匂いを嗅ぐだけでは済まないヤツもいて、これはもうよっぽど人間に慣れているんでしょうな。
どれだけ近寄ってもまったく逃げず、指を出すと匂いを嗅ぐのみならず、指に顔をぐりぐりと押しつけてくる。「かゆいところがあるから掻いて」って感じ。
かゆいのかもしれないけど、額や頬をこすりつけるのは猫の匂い付けで、心を許せる相手に匂いを付けている、と言われている。いや、1~2度しか会ったことのない人間に心を許すのもどうかと思うのだけどね。
心は許してないけど、目の前で指をひらひらされると我慢できずについ近づいちゃう、怖いけど、気になる、みたいな。そんな行動にかられるのはたいてい子猫。
子どもだから警戒心より恐怖心が勝っちゃうのだね。
兄弟だかなんだか知らないが、まだまだ子猫の2匹。1匹はちょっと怖がっていて、ミケの方は我慢できずにそっと近寄ってくる。
そんな面白い姿を撮らないわけにはいくまい。ってことで、わたしも右手に一眼レフを構えて撮影の準備。
なかなか近付いてくれなくて、構えている右手が疲れてきた頃(そもそも一眼レフは片手で持つもんじゃないし)、意を決したミケの方がぐいっと近寄って、えいっ。
後ろの猫の不安そうな顔が、またドキドキしますな。
なお、指を近付けても逃げないからといって不用意に差し出すと、いきなり引っ掻かれることもあるのでご注意を。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影のネタ帳 シーン別ベストショットの撮り方』(MdN)、『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫。2010年4月27日発売)。Twitterアカウントは@ogikubokei。ときどき猫動画をアップするYouTubeのアカウントもogikubokei。
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