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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー ― 第14回

聖地の宝庫、広島で「たまゆら」ゆかりの地を巡る!

2011年05月12日 18時00分更新

文● 中村信博

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今秋TVアニメが放映予定の
「たまゆら」の聖地を一足先に巡る!

 昨年11月からオリジナルアニメ(OVA)として展開している「たまゆら」。広島県竹原を舞台に、主人公の「ぽって」こと沢渡 楓をはじめとする、女子高生たちの日常とささやかな夢を追う姿を描いたアニメだ。そしてこの作品が、今秋からTVアニメ化されることは、ASCII.jp読者の皆さんならもちろんご存じのことだろう。

 「地方都市」と「女子高生」の組み合わせは、昔からたくさんの作品で使われてきた定番のシチュエーションだ。特に瀬戸内は、穏やかな風土が物語の雰囲気にピッタリなのか、頻繁に舞台として登場する。それはアニメに限らず、例えば大林宣彦監督は尾道を舞台に6本もの映画を撮影しているし、新任教師と女子高生たちの交流を描いた日本文学の名作「エデンの海」は、ここ竹原を舞台に3度も映画化されたことで知られている。

 アニメ作品でも、瀬戸内を舞台とするものは今回の「たまゆら」の他に「かみちゅ!」(こちらは中学生だが……)があるし、漫画となればそれこそ数え切れない。甘酸っぱい青春劇は、どこか懐かしい風景の中で展開されてこそ映えて見えるのかもしれない。

 だからこそ、筆者はこの作品を製作発表時から注目してきた。登場人物は女子高生、舞台は瀬戸内の地方都市という時点で、聖地探訪の旅人たる筆者にとって名作の資格充分だ。そして「たまゆら」は、ネット配信の時点から話題の作品として注目を集めるようになった。これはもう、今秋予定のTV放送を前に、その舞台を訪れてみたいと思うのは巡礼者として当然の欲求ではないか!

 アニメに登場した舞台を旅人としての視点でめぐる「聖地巡礼ツアー」。ということで、今回は「たまゆら」のTV放映決定で盛り上がりを見せる、広島県竹原市を訪問した。

 まずは、ちょっとした街のおさらいから。竹原は、広島県の中南部に位置する人口約3万人の小都市だ。東京からは、山陽新幹線の三原からJR呉線を利用して約40分。クルマなら山陽自動車道の河内インターチェンジから、国道432号線を南にたどって30分ほどのところにある。

 三方を山に囲まれ、南に瀬戸内海が開けたこの街は、古くは平安時代、京都・下鴨神社の荘園として開拓されたところ。「竹原」の名前の由来は、もともとこの場所が竹林であったからとも、荘園の管理が竹原氏に任されていたからだとも言われている。竹取物語の由来地のひとつともされていて、「たまゆら」放映以前から竹やかぐや姫をモチーフとした街興しが盛んな場所だ。

 ここに街が形作られたのは、中世以降の話。芸予諸島の北端に面していることから、海上交通の要衝として栄え、そこに開かれた市場が街へと発展したのだ。やがて江戸期に入ると、海岸沿いの干拓地で製塩が始められて大成功。竹原産の塩は北前船で、遠く東北や北海道まで送られ、さらに酒造などの新しい産業が興されたことで、街には莫大な富がもたらされた。そうして竹原では多くの豪商が誕生し、彼らがこの街にいくつもの邸宅を構えたことで、「安芸の小京都」と呼ばれる独特の景観を作りあげたのである。

 筆者が竹原の街に入ったのは、4月24日の朝7時。この日は竹原市内を会場とする「たけはら国際芸術祭」の最終日に当たっていたが、さすがにこの時間はまだ人影もまばらで、街は日曜日の朝らしい静けさに包まれていた。

竹原観光の拠点となるのが、街並み保存地区に隣接して建てられている「道の駅・竹原」。まずは、こちらで竹原の観光情報を仕入れる
道の駅の2階には「たまゆら」コーナーもあり、この作品オリジナルのグッズなどが販売されていた
「たまゆら」コーナーで販売されていた、竹原の春のイベント「雛めぐり」を描いたポスター(1枚1000円)。残り少なくなっているそうなので、急いでゲットしよう
ちなみに、竹原は竹取物語の舞台として考えられている場所のひとつで、以前から竹やかぐや姫をモチーフにした街興しが盛ん。これは地元出身のイラストレーターが描いた竹原産の萌えキャラ「月野香紅夜(つきのかぐや)」だ江戸時代末期、多くの維新志士達に影響を与えたという漢学者、頼山陽の銅像。祖父の惟清、父の春水がこの街の出身で、竹原は頼一門発祥の地としても歴史に名を残している
海沿いに立っている三井金属の高い煙突は、街中のほとんどの場所から眺めることができる。散策中に迷ったときのいい道しるべになるだろう

(次ページへ続く)

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