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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第20回

これが「艦これ」提督的年末年始の過ごし方だ!

2014年01月25日 16時00分更新

文● 中村信博

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提督の年越しを提案したい
横須賀の花火とともにカウントダウン!

 毎年ネタ切れの恐怖に怯えながら、やっとの思いで目的地を決めてきた「オタク的年末年始の旅」。関東エリアに散在するアニメ・ゲーム関連スポットの年越しをレポートするこの企画だが、今となってはほとんどのスポットを網羅してしまい、それこそ耳から脳汁が出る気分でネタ出しをしてきた。ありがたくもこの企画を任され続けてきた者として、もはや意地としか言いようがない!

 ところが……。

 毎年恒例ともいえるそんな苦労とは裏腹に、今年はすんなりと行き先が決まってしまった。拍子抜けとはまさにこの事だ。師走の声を聞く頃には目的地が決定し、あとは大みそかまでのんびりとした日々を過ごすことができた。この調子で本番の取材もお気楽にできたら言う事はないんだけど、そうは問屋が卸さないのがこの企画の怖いところ……編集部に送った企画案は、こうだ。

「今年は“艦これ”(艦隊これくしょん)がブームだから、それに絡めた旅がしたいですよね。そうだ、米軍基地がある横須賀でニューイヤーカウントダウンが行なわれるから、それ取材するっていうのはどうッスか。ほら、艦船が停泊してそうじゃない。その後? あとは野となれ山となれでしょ!」

 横須賀では毎年、停泊する海自の護衛艦と米海軍の軍艦がライトアップされ、0時にあわせて数百発の花火が打ち上げられるニューイヤーイベント「よこすかカウントダウン」が開かれるという。筆者も提督の一人であるからして、そんな軍港の晴れ姿を見てみたいと思ったのだ。そんな企画が通ってしまい、その中に含まれた「野となれ山となれ」の部分で、あれほどの苦労を自ら背負い込むことになろうとは……。

 年末年始恒例、ASCII.jp聖地探訪部の年越し企画。今年は話題の“艦隊これくしょん”にちなんで行なわれた、東海道東西走破のドライブ旅をお送りしよう。

コミケ終了とともに
クルマで横須賀へと向かった

 12月31日夕方。「コミックマーケット85」の打ち上げに都心へと繰り出していく同僚たちを尻目に、筆者は有明から首都高に乗り、一路横須賀へと出発した。湾岸線から横浜横須賀道路、通称「横横道路」に乗り継ぎ、横須賀インターチェンジから本町山中有料道路へ。終点を降りれば、そこはもう大晦日の夜を迎えた海軍都市・横須賀の町だ。

海上自衛隊の逸見桟橋には護衛艦が4隻停泊していた。その右手に見えるはずの吉倉桟橋にも別の艦が停泊していたが、この時点では暗くて判然としなかった

 「よこすかカウントダウン2014」が行なわれるヴェルニー公園には、すでに多くの観客が繰り出して賑わいを見せている。イベントのため終夜開放されたショッピングセンター駐車場に愛車を停め、屋台を回って2013年最後の夕食をとる。米海軍の母港がおかれた街だけに、そのラインナップはどこかアメリカナイズな料理が多めだ。

ステーキ串、海軍カレー、それに年越しソバ代わりのラーメンをバクバクと。そういえば朝から何も食べていなかった。ううう、うまい! (寒)風が語りかけてくる!

ヴェルニー公園のメイン会場は、時間が経つごとに少しずつお客が増え始めた。しかしコミケの死線を潜り抜けた歴戦の兵には、この程度の混雑は序の口だ

 午後9時。海上自衛隊の施設の方から、小さく号令が聞こえてきた。「点け方、用意!」いよいよライトアップの時間だ。海岸沿いに詰め掛けた観客の目が海上に向けられる。「よーい……、点灯!」その瞬間、横須賀軍港に停泊している日米すべての軍艦の電飾にパッと火が入れられた。会場はワアッと大盛り上がりだ!

ライトアップされて初めて判ったが、吉倉桟橋に泊まっていたのは「ひゅうが」だった! 逸見桟橋の護衛艦や向かいの米海軍艦、すべての電飾が点灯されて横須賀軍港が照らし出される。機動性を考えてコンデジを選んだのが悔やまれる……

近くまで寄ってみた。左から順番に、たかなみ型護衛艦「おおなみ」、あきづき型護衛艦「てるづき」、そして吉倉に停泊するヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」。この他にも、むらさめ型護衛艦「いかづち」、はたかぜ型ミサイル護衛艦「はたかぜ」が停泊していた

逸見桟橋の向かい側、米海軍エリアにいたのは左からアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「カーティス・ウィルバー」、同「ジョン・S・マケイン」。潜水艦は海上自衛隊のそうりゅう型潜水艦だ。海自の潜水艦は竣工後にセイルの艦番が消されるため、外観だけでは艦名を特定できない

 23時55分。港内にふたたび号令がかかり、電飾が一斉に消灯される。いよいよ年越しだ。桟橋沿いにぎっしりと詰めかけた観客が、真っ暗な海上を固唾を呑んで見守っている。そして、その瞬間。汽笛とともに電飾が一斉に点灯され、軍港中心の海上から夜空に花火が打ち上がった!

 ハッピーニューイヤー2014! あけましておめでとうございまーす!!

汽笛とともに打ち上がった色とりどりの花火が、漆黒の海上を七色に染め上げる。花火は5分間に渡って続けられ、遠くの八景島のニューイヤー花火と合わせて横須賀の空を彩っていた

 いやー、このイベントは良い! 会場のお客さんみんなでカウントしてその瞬間を大盛り上がりで迎えるっていうのもいいけど、このイベントはあくまで「軍艦」が主役。派手なアナウンスもほとんど無く、号令とともに一斉に点灯される電飾と汽笛、それに花火で新年を迎えるっていうのが、まさに軍港らしくて提督にはピッタリだ。「艦これ」ファンにはオススメの年越しイベントだったと断言しておこう!

 さて、横須賀軍港のカウントダウンイベントを終え、次なる目的地へと移動しなきゃならない。毎年この企画では「初詣」と「初日の出」の様子を追っているけれど、今年は特に目的地があるわけじゃない。できれば「艦これ」にちなんで、海に関係する場所に行ってみたいけれど……。

 そういえば、この取材が終わったら筆者は関西の実家に帰省する予定だった。ならば西へと走りながら、各地のスポットで初日と初詣を楽しむのはどうだろう。スマホを使って検索してみると、渥美半島の突端・伊良湖から鳥羽を結んでいる伊勢湾フェリーが、元日は午前6時台の特別便を出すという。おお、海の上で2014年最初の太陽を迎えるっていうのも、提督らしくて面白そうだ!

 行き先は決まった。厳しいタイムリミットだが、東名高速を西へ進んでまずは伊勢湾フェリーで海上の初日の出。そして鳥羽に上陸したら、お隣にある伊勢神宮で初詣だ!

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