ソフトウェア面は
X-Fi Titaniumと共通
前述のとおり、SE-300PCIEはX-Fiプロセッサーをオーディオプロセッサーとして使用しているため、ソフトウェア面ではX-Fi Titaniumとかなりの面で共通している。インストーラーはX-Fi Titaniumシリーズとほぼ同じもので、ドライバーと一緒に導入されるソフトウェアも、X-Fi Titaniumシリーズから雑多な付属ソフトを省略した構成となっている。
X-Fi Titaniumでは、使用シーンに応じてX-Fiプロセッサーの動作モードを切り替える「オーディオコントロールパネル」という設定ソフトがあるが、SE-300PCIEでもこれと同じものが用意されている。オーディオ機器風のユーザーインターフェースを備えており、SE-300PCIEの動作モードや設定を簡単に切り替えられる。
動作モードごとに設定をまとめて切り替えられるので、例えば「ゲームモードではサラウンド効果用にX-Fi CMSS-3Dをオンに」「エンターテインメントモードではオフに」といった使い分けができる。
クリアなサウンドに驚き
用途を選ばぬ優れたサウンドカード
今回はSE-300PCIEと、Intel X58チップセット搭載マザーボードのオンボードオーディオ機能で同じ楽曲(CDから取り込んだWAVEファイル)を聞き分けて、再生品質の違いを比べてみた。オンボードオーディオ機能には、一般的なRealtek社製オーディオチップが搭載されている。
筆者は日常的に「いい音」を聞き慣れているというわけではないので、正直に言えばテスト前には、音の違いを聞き分けられるか不安があった。しかし、実際に聞き慣れた曲を再生させてみると、その違いがはっきりと聞き分けられて驚くほどだった。
例えば、オンボードオーディオではざらついて聞こえるドラムやストリングスの音が、SE-300PCIEでは明瞭に楽器の音として聞こえてくる。また、ある曲の場合、オンボードオーディオでは「ざらついた背景音」のように聞こえる部分が、SE-300PCIEだと「ささやくようなコーラス」だったことが聞き分けられる、といった具合だ。オーケストラ演奏からポップミュージックまで、どんな曲でもその違いは明らか。聞き慣れてくると、とてもオンボードオーディオには戻れない。
サウンドカードとしての優れた再生品質に加えて、X-Fiプロセッサーによるゲーム向けサラウンド効果も堪能できる。残念ながら、Windows Vista以降はEAXが使えなくなったこともあり、Windows XP時代と比べればX-Fiプロセッサーの効果があるゲームの比率は減っている(OpenALという後継APIを活用したゲームもある)。そのためSE-300PCIEでは、優れた音楽再生にプラスアルファの魅力として、ゲームでのサラウンド効果があると考える方が適当だろう。
いずれにしても、SE-300PCIEがうたうノイズのない音楽再生という魅力は、さして耳が肥えているわけでも筆者でもはっきり実感できた。実売価格は3万円台前半と、拡張カードとしてはけっして安い方ではないが、パソコンでもいい音で音楽を楽しみたいという人には、その価値があるサウンドカードと言えそうだ。
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