魚眼レンズアダプターを常用
最近の筆者にとって、魚眼レンズアダプターの存在は大きい。単体の魚眼レンズに付け替える手間に比べて、レンズ前面に装着するだけのアダプターは使い勝手が非常にいいのだ。いままでは特殊なレンズとして特別な理由がない限り持ち出すことはなかったのだが、NEX-3を買ってからは大抵、魚眼アダプターを一緒に持ち出すことが多い。
普段もよく使うのだが、特にイベント等で使うことが増えた。単体の魚眼レンズに比べて描写性能は劣るが、NEX-3の手軽さと相まって、即座に、簡単に装着できる便利さでつい使ってしまう。
課題はレンズのラインナップか!?
10月に発売された18-200mmの高倍率ズームレンズは購入しておらず、もしもこれを買っていればNEX-3だけでも取材も可能か? と思うこともある。
だが、価格的な面(実売10万円前後)と性能的な面でまだ躊躇しているところだ。現在の所手持ちは基本的に最初に買ったダブルレンズキットの2本で、α用Aマウントレンズの30mmマクロやマウントアダプター経由で使えるレンズも多々あるのだが、どれも常用とは言えないレンズばかりだ。
NEXシリーズ全体に言えるのだが、残念な事にレンズ性能が一般的な一眼レフに比べて劣る面が少なからずある。薄いフランジバックのため、設計上難しいのかもしれないが、多少サイズが大きくなってもしっかり使えるレンズがあればもっとシステム全体の評価は上がるだろう。高い性能よりも、使いやすさ重視の軽くて薄い常用できる焦点距離のレンズが欲しいというのが本音だ。
しかし、それらを補ってなお余るだけの利便性がNEX-3にはある。筆者がNEX-3を使い続ける理由はやはりこれだろう。重さが行動力に直結する仕事でなくても、普段から気楽に持ち歩ける手軽さがNEX-3の最大の利点だと思う。
描写の甘さやバリエーションの少ないレンズ、個人的には薄い標準域レンズや標準マクロがないのが残念なのだが、それらの不便さを差し引いてもNEX-3の魅力が損なわれることはない。素子サイズによる基本性能の高さとコンパクトさの両立は同じようなミラーレス機の中でも抜きん出ていると評価する。
連載でPENと比較したときに、「しばらくは両方持ち歩くのだろう」と書いたが、最近はNEX-3だけを持ち歩くほうが少しばかり多くなった。
まだシステム展開を始めたばかりで1社でしか採用していないマウントの上、短いフランジバックはレンズメーカーでも既存のレンズを対応させるのは難しそうなのでNEXの世界が広がるにはまだ時間がかかるかもしれない。でも、将来性はあると思えるので今後のシステム展開に期待をしようと思う。
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