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週刊 PC&周辺機器レビュー 第61回

10万以下でハイスペックな15.6型ノート 日本HP dv6a

2010年07月02日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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クアッドコアPhenom IIを搭載し、価格性能比が高い

 dv6aはノートパソコンながら、CPUのバリエーションに富む。コストパフォーマンスに優れたAMD V120(2.2GHz)やデュアルコアのAMD Athlon II P320(2.1GHz)、高性能なクアッドコアのAMD Phenom II P920(1.6GHz)が選べる。試用機にはPhenom II P920が載っており、ヘビーな作業もラクラク処理できる。ベンチマークスコアも上々だった。ただし、高負荷の処理を実行し続けると、キーボードの左上が熱を持ち、冷却ファンが高速で動作する。ファンの音はやや耳に付いた。

 OSはWindows 7 Home Premium 64bitを採用しており、8GBもの大容量メモリーを活用できる。CPU性能の高さも合わせて、RAW画像の編集や多数のアプリを起動するような使い方で効果を発揮するだろう。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

dv6aでのWindowsエクスペリエンスインデックスの値

 グラフィックス機能はMobility Radeon HD 5650(1GB)を搭載する(チップセット内蔵のMobility Radeon HD 4250も選択可能)。5650はDirectX 11対応GPUなので、最新のデジタルコンテンツや3Dゲームも快適に楽しめる。なお、HD5650を搭載する場合には、90WのACアダプターを選ぶ必要があるが、価格は変わらない。

PCMark Vantageのスコア比較

総合ベンチマークソフト「PCMark Vantage」のスコアを、Core i5-430M(2.26GHz)搭載のNEC「LL750/WG6」と、Core 2 Duo P8700(2.53GHz)搭載の「LL700/VG6」と比較してみた。総合成績ではLL750>dv6a>LL700といった順番に。グラフィックス性能の影響が大きい項目は高い

3DMark06のスコア比較

3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark06」のスコア比較。CPU内蔵GPUを使うLL750と比べて、さすがに圧倒的に速い

 バッテリーは6セルのリチウムイオン充電池で、駆動時間はカタログ値で約4時間。バッテリーベンチマークソフト「BBench」で実測した結果は、約3時間20分だった。おおむねカタログどおりというところか。


HDMIとeSATAを搭載し拡張性は上々

 インターフェース類も充実している。USB2.0×4(うちひとつはeSATAと兼用)のほかに、映像出力はアナログRGBに加えてHDMIを搭載している。5in1タイプのメモリーカードスロットも備える。USB端子は、本体左側面中央と同右側面の奥、さらに手前の4ヵ所に備えられており、使い勝手がいい。

 eSATAインターフェースを搭載しているので、高速なeSATA対応外付けHDDを使えるのもありがたい。特に大容量データのバックアップの際に便利だ。HDMIを搭載しているので、最新のプロジェクターやリビングの大画面テレビに映像を映せる。

 ステレオスピーカーには、オーディオブランドの米Altec Lansing社製スピーカーを採用する。ノートパソコンとしてはそこそこいい音質で、BGM再生や動画投稿サイトの視聴は問題なし。DVDビデオのサラウンドサウンドを再生するには、さすがにやや迫力不足だ。

 ネットワーク機能としては、Gigabit Ethernetの有線LANとIEEE802.11b/g/nを内蔵する。Bluetoothは標準搭載ではなく、付けるにはプラス3150円かかる。

本体前面

本体前面にはステレオスピーカーを配置

本体左側面

本体左側面。左からアナログRGB、有線LAN、HDMI、USB/eSATA、USB、マイク、ヘッドホン、メモリーカードスロットを搭載

本体右側面

本体右側面。左からUSB、光学ドライブ、USB、電源コネクターを備える


オールラウンドに活用できる手頃なメインマシン

 構成次第ではあるが、dv6aは15.6型のノートパソコンとしてはトップクラスの性能を持ち、タッチパッドの操作性が独特だが、デザインも良好だ。90WタイプでもコンパクトなACアダプターや豊富なプリインストールソフトなど、細かいところも手を抜いていない。ハイエンドの構成にしても9万8280円という価格は、文句なく安い。

 メモリーを4GBにすれば、さらに1万円抑えられるし、CPUをAMD V120にすれば、6万円以下の構成も可能だ。ちなみにメモリーは2GBから4GBに無料で増量できる。

 ネットはもちろん、ビジネス用途から3Dゲームまで、dv6aはオールラウンドに利用できるメインマシンとして活躍してくれる。コストパフォーマンスを重視する人は要チェックのモデルだ。

HP Pavilion Notebook PC dv6a(試用機) の主な仕様
CPU Phenom II P920(1.6GHz)
メモリー 8GB
グラフィックス Mobility Radeon HD 5650
ディスプレー 15.6型ワイド 1366×768ドット
ストレージ DVDスーパーマルチドライブ
光学ドライブ HDD 500GB
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n
サイズ 幅378×奥行き245×高さ30.8~36mm
質量 約2.43kg
バッテリー駆動時間 約4時間
OS Windows 7 Home Premium 64bit
価格 9万8280円(最小構成価格 4万9980円、6月30日時点)

筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)。


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