日本ヒューレット・パッカードの夏モデルパソコンが一新された。その中でも15.6型の大型ノート「HP Pavilion Notebook PC dv6」は、インテルとAMDのCPUを採用した2モデルを用意している。
今回レビューする「dv6a」は、AMDのノート向けプラットフォーム「Danube」を採用しているのが特徴の製品だ。最小構成は4万9980円からで、CPUにクアッドコアのPhenom II、8GBメモリーや高性能GPUを搭載した試用機でも、10万円未満と手を出しやすい価格な点も魅力である。
価格の割に高級感と安心感のあるデザイン
日本HPのパソコンは、格安なモデルでも見た目に力を入れているのがいい。デザインには曲線を多用しているが、フィルムを樹脂に流し込む「HP Imprint」技術により、凸凹したり、カーブしている場所にもデザインを転写している。試用したのは「シャンパンゴールド」モデルで、落ち着いた色味ながら上品な雰囲気を漂わせている。天板だけでなく、パームレストにも塗装が施されている。
カラーバリエーションとしては、「ブラックチェリー」も用意されている。シャンパンゴールドよりも1050円安いが、こちらはトップカバーのみのデザインとなる。
ちなみに初期設定の壁紙はイギリスのイラストレーター、Laura Barnard氏による洒落たイラストになっていた。ボディーカラーに合わせているようで、ブラックチェリーはアメリカのイラストレーターAmy Ruppel氏が手がけているという。
打ちやすいキーボードと
操作に慣れが必要なタッチパッド
液晶ディスプレーのサイズは15.6型で、解像度は1366×768ドット。アスペクト比は16:9となる。表面は光沢パネルで、照明の具合によっては周囲が強く映り込みする。その分、映像は鮮明に表示される。緑がやや薄く表示されているようだが、画質は鮮やかでクリアな感じだ。評価機はGPUが強力なので(後述)、ハイビジョン動画を再生しても、コマ落ちしたりするようなことはなかった。
液晶ディスプレー上部には、ウェブカメラを内蔵する。ウェブカメラユーティリティーの「HP MediaSmart Webcam」により、数種類のエフェクトを適用して、ビデオ通話できるのが楽しい。
キーボードは約19mmのキーピッチを確保している。キーストロークは約2mmで、タイプ感はやわらかい。クリックの感触は小さいが、チープではなく入力しやすい。飛び石状のキートップなので、ミスタイプも抑えられる。タイプ音が小さいので、静かな場所での使用も問題ない。
キー配列は、Enterキーの右側に[Home]や[End]などの機能キーが並ぶタイプだ。Enterキーを押すときなどにミスタイプしやすいと、今でも賛否はあるが、慣れてしまえば普通に使える程度だ。キーボード左側には「クイックローンチ・キー」を備え、ウェブブラウザーやメール、電卓、ランチャーなどを起動できる。ファンクションボタンで無線LANのオン/オフも切り替えられる。
タッチパッドのサイズは108×65mmと大きい。特に、左右に長いのは使い勝手がいい。マルチタッチに対応しており、2本指で上下左右のスクロールができる。ソフトが対応していれば、画像の回転や拡大/縮小も可能だ。
ただ、ボタン部分までパッドになっていて、スクロール可能なのは気になった。タッチパッド全体がセンサーになっているので、スクロール操作そのものは快適にできる。しかし、ボタン操作がしにくいのだ。ボタンはタッチパッドと一体化しており、左下が左クリック、右下が右クリックに割り当てられている。そのため、クリックボタンに軽く指を触れたまま、ポインターを操作するといったことはできない。
1本指で操作する必要があるのは、MacBookの操作感に似ているが、ボタンの場所が決められているのがネックだ。前モデルの一般的な仕組みのままで、サイズだけ大きくしてほしかった。タップ操作をメインに使うか、気になる人は外付けマウスを利用するといいだろう。
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