【その3】快適さをもたらす基本ハード
3つ目の特徴は、基本ハードウェアだ。iPadにも採用した「A4」プロセッサーの搭載で処理性能が上がり、バッテリーも長持ちするようになった。
いったいどれくらい変わったのか。マルチタスク機能への対応もあり、正確な比較が難しい部分もあるものの、iPhone用のベンチマークプログラムを使ってiPhone 4と3GSを比較してみた。
「Benchmark」というアプリの結果では、iPhone 4が4割ほど高速だった。3Dグラフィックスの性能を評価する「3D Benchmark」では3割高速という結果になり、フレームレートもずっと高いことが分かった。
Benchmarkの結果
3D Benchmarkの結果
実際にiPhone 4を使っていると、内蔵メモリーが増えたこともあってか、マルチタスクによるアプリの切り替えもかなり快適に感じられる。
【その4】HD動画も撮れるカメラ
4つ目の特徴はカメラだ。
画素数もかなり実用的な500万画素に強化されたのに加えて、5倍のデジタルズームも付いた。カメラがすぐに起動することにも驚かされるし、フォーカスもiPhone 3GSと比べて心なしか速くなった印象がある。画質に関しては、サンプルを比較してもらうのが一番いいと思うが、これまでのiPhone 3GSに比べて格段に向上した。
※撮影協力:平河町ライブラリー
新たに採用したLEDフラッシュも思っていたよりも明るい。ただ、フラッシュ以前に、iPhone 4のカメラが、リコーなどのデジカメでも使われている「裏面照射型センサー」という技術を使って、暗所撮影における画質を向上させたことにも注目したい。
iPadで見るのにも最適な「720p」(1280×720ドット)のハイビジョン動画を撮影できるようになったことも外せない。別売りの動画編集アプリ「iMovie for iPhone」を使えば、そのハイビジョン映像にタイトルや場面の切り替え効果(トランジション)を付けて、まるで市販DVDのような作品に仕上げられる。
YouTubeにあげたサンプルを見て欲しい。撮影にかかった時間は10分で、編集もタクシーで移動しながら5分ほどで仕上げた。
いくつか撮った映像クリップからいいショットを選んで、それらをつなぎあわせる。クリップの冒頭や最後を指でタップすると、ドラッグ操作で映像の再正開始ポイントと終了ポイントを指定できる。クリップとクリップの間には自動的にトランジション効果が挿入される(3種類の効果が選べる)。
クリップが並んだタイムラインの左端には歯車のアイコンが表示される。その歯車を指でタップすると、テンプレートである「テーマ」の選択画面が現れる。トラベル/ニュース/モダン/ホワイトといった中から選択可能だ。
サンプル映像でも採用している「ニュース」を選ぶと、自動的にニュース番組のようなタイトルバックとBGMが自動的に挿入されて、ひとつの作品に仕上がるのだ。これは実際に試してみると、なかなかスゴい。
1つのデバイスでハイビジョン映像の撮影と編集をこなしたうえ、美しい3.5インチスクリーンで楽しんだり、YouTubeにアップロードすることができるのだ。
もちろんズームが使えないなど、ビデオカメラに比べて劣るところはあるものの、その欠点を打ち消すぐらいの感激を与えてくれる。これまでのビデオカメラを一気に色あせさせてしまった印象も強い。