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林信行が語る「2010 知っておくべき10のトレンド」【後編】

2010年01月21日 12時00分更新

文● 林信行

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 前編中編に引き続き、いよいよトップ3の発表だ。



3位 Twitter

Twitter
Twitter

 Twitterと言えば、2009年に大ブレイクしたテクノロジートレンドのひとつ。そのTwitterが今年はどう進化するのか。

 米ツイッターが運営するTwitterそのものについては、システム安定度の向上や有名ユーザーアカウントの承認、提供APIの拡充などは図られるものの、2008〜2009年ほど多くの機能は追加されないだろう。

 今、Twitterで優先すべきことはブラッシュアップだ。Twitterは米国でも日本でも、急速な勢いで、IT系サービスに馴染みのない一般層に拡大しつつある。そしてもともとはシンプルさが売りだったTwitterが、今ではRTなどいくつか複雑なルールが追加されて、やや分かりにくいものとなってしまった。今年は初めての人でも混乱なく使えるようにすることが課題だろう。

 2010年、Twitter関連の新しいトレンドはその周辺、つまり専用クライアントや類似サービスから生まれてくると筆者は考えている。以下に知っておきたい動きを5つあげよう。


法人利用

 まずは法人利用だ。Twitterの法人利用と言えば、2010年の年明け早々、ソフトバンクが約2万人の全社員にTwitterを利用させて大きな話題となった。今後はこうした企業での活用事例が増えて行くだろう。

 Twitterの強みは、発言のハードルを下げてほかの人々からさまざまな知識を簡単に引き出せることと、世の中の旬な話題を何となく見逃さずに拾えるという点にある。

 こうした特徴は、企業にも大きな恩恵をもたらしてくれる。これまで、社員同士が部署の壁を越えて情報やノウハウを共有するツールとしては、社内SNSが注目を集めていた。今後はそれに代わって(あるいは補う形で)Twitterを使う流れが増えてくるはずだ。

 ただし、ソフトバンクのように実際にTwitterのサービスを利用させてしまうケースはかなり例外的になる。多くの企業では管理部門が、社員達がうかつに社外秘の情報をつぶやいてしまうことを恐れており、外部サービスの使用を許さない。

 といっても実際には許してしまった方が、社員達の間に、何が会社にとって得かを常に意識する心が芽生えて社交スキルも磨かれるので、ソフトバンクのように全員Twitterの方がいいと思える部分もあると筆者は思っている。

 会社の機密情報を守りつつも、社内に潜んでいる重要な知識や情報、ノウハウを引き出したい。そんなことを考えている企業の間で、社内限定のTwitter類似サービスが注目を集めるのではないかと筆者は思っている。こうしたサービスとしては、米ヤマーの「Yammer」や、日本のモディファイが手掛ける「Smart 4B」などが有名だ。

Smart 4B Smart 4B

 実際、筆者が先日会ったイスラエルでベンチャー企業を経営する社長は、「弊社の社員は約20人いて世界中に散らばっているが、Yammerを使っているおかげで、ほかのどの会社よりも社員1人1人の近況について詳しく理解している自信がある」と語っていた。

 ここで気になるのは、ツイッター自身がこうした法人向けサービスの展開を考えているかだ。社内限定型のYammerやSmartシリーズだと、社員達の知識、ノウハウを引き出すことはできても、今、まさに注目を集めているクラウドソーシング(インターネットを通して広く社外の人の見識も取り入れること)の恩恵を受けることは少なくなる。

 もし、ツイッター自身が社外と社内でメッセージを間違えることなく共有できる法人サービスを用意すれば、それはそれで価値があるサービスになるかもしれない。


マーケティング利用

 2つめはTwitterのマーケティング利用だ。前編でも触れたように、昨年はモーターショーの日産ブースやソフトバンクの製品発表会が好事例を残した。

 国内でTwitterユーザーの基盤が十分にできてきたこともあり、企業でTwitterを使ったマーケティングやプロモーションを考えるところも多いようだ。

 もっとも、ただつぶやけば宣伝になるというものではない。フォローをすることも簡単だが、たやすく外せるのがTwitterだ。日々、宣伝しかつぶやかないアカウントでは、皆がフォローをやめてしまう。一方、購入したソフトのアップデートがつぶやかれる、好きなショップのお買い得情報が入ってくる、興味をもっている企業や有名人が自らの考えを語ってくれる──といったアカウントであれば、大歓迎という人も多いだろう。

 今後はこうした企業のマーケティング的なつぶやきをよりシステマティックで、失敗が少ないような形で行なう仕組みが増えてくる。実際、モディファイの「SM3」というシステムは、ブログやSNS、Twitterに対して同時に投稿できる仕様で、誰かが内容をチェックしたものから公開するという機能も備えている。投稿への反響を分析するツールも用意されており、すでに芸能プロダクションなどでの利用例もある。

 なお、Twitterマーケティング用のツールは海外でも多くリリースされているが、大半はフォロワー数を増やすことに重点を置いたもののようだ。


つぶやきの反響分析

Twitterの画面で説明すると1)リンク、2)Reply、3)ReTweet、4)Favoriteといった具合だ

 3つめは、前のマーケティングとも関係が深い、つぶやきの反響に対する分析だ。

 Twitterの反響を知る方法は、1)つぶやき中のリンクがどれだけクリックされたか、2)つぶやきに対してどれだけReply(返信)があったか、3)つぶやきがどれだけReTweet(引用)をされたか、4)どれだけFavorite(お気に入り)に登録されたかを調べる──という4種類がある。

 今後は、これら4つの軸に、つぶやいてからの時間や反応を示した人のプロフィール情報などを絡み合わせて、より詳細に分析できるツールが増えてきそうだ。


テレビやラジオとの連携

 4つめのトレンドは、テレビやラジオとの連携だ。Twitterの強みのひとつはリアルタイムメディアであることだが、実はこの特徴がテレビやラジオといった、その他のリアルタイムメディアと非常に相性がいい。

 すでに昨年から、注目すべきテレビ番組は、放映の直前にTwitter上で話題になるという現象が起こっている。放送が始まってからも、頭に「#」を付けたハッシュタグを使って、テレビを見ながらリアルタイムで感想をつぶやくといったスタイルが、ドラマやスポーツ番組などで定着し始めている。

 テレビを見ながらTwitterを楽しむための専用サイトもいくつか始まった。前編でも触れた「ツイテレ」や「ピーチク」といったサービスはその代表格だろう。ただし、どちらもまだ定着しているとは言えないので、他社にもチャンスはある。

 ちなみにTwitterは、イベントを企画/運営/実行するのにも便利なツールだ。米国ではTwitterのアカウントを使って、イベントの告知や出欠の確認ができる「plancast」というサービスも始まっている。今後は突発的なTwitter系イベントを開催しやすい会場(インターネットインフラの提供や人数の増減への柔軟な対応、清算の簡単さ)といったものも整備され始めるかも知れない。

plancast plancast。TwitterやFacebookのアカウントでログインできる

リアルタイム検索

 そして5つ目はリアルタイム検索だ。これはツイッター自身が用意している検索に加えて、昨年末にマイクロソフトやグーグルが同社と提携して提供を始めたサービスも含む。Googleでは検索時の言語設定を英語にしておくと、ハッシュタグを入力して検索したときにTwitterを使ったリアルタイムの検索結果が表示されるようになっている(新しいつぶやきが追加されると、自動的にそこの表示がスクロールする)。

言語設定を英語に変えて、Googleで「#whentwitterwasdown」と検索した結果。囲みの部分がリアルタイムに更新されて行く

 またツイッターの検索では、こちらも今のところ設定が「英語」の場合のみの機能だが、「流行のトピック」(Trending Topic)に表示されている一部のハッシュタグやキーワードについて、それが何かを説明する解説文が加えられ始めている。

Twitter内の検索機能(1の部分)で「#whentwitterwasdown」と調べた結果。2の部分にハッシュタグの解説が現れる(この場合は「Twitterのサービスがダウンしているときに何をしていたか議論している」)

 この動きと連動して、今後はハッシュタグの利用に関しても何かしらのルールが定められるかも知れない。

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