正圧設計でホコリの侵入を防ぐ
Raven 2の材質はスチールであり、外装には樹脂が使われている。Raven 2は、初代Ravenと同じく、正圧設計を採用していることが特徴だ。正圧とは、ケース内部の気圧が外部の気圧よりも高く保たれていることで、反対が負圧となる。正圧を実現するには、吸気ファンからの風量が排気ファンからの風量よりも大きくなるように設計すればよい。ケース内部が正圧になっていると、隙間からホコリが入りにくくなり、ビデオカードなどの冷却効率も向上する。
Raven 2では、吸気ファンとして底面に18cmの大型ファンを3基も搭載。このファンは、回転数を700rpmと1000rpmの2段階で切り替えられるようになっている。排気ファンとしては、天面に12cmファンを1基搭載している。
拡張ベイは、5インチベイ×5、3.5インチシャドウベイ×3、2.5インチベイ×1という構成だ。5インチベイのうち4つは、工具を使わずにドライブの着脱が可能なツールフリー仕様になっている。ただし、5インチベイのフロントカバーを外すには、後ろの穴にドライバーなどを斜めに差し込んで押し出す必要があり、かなり力を入れないと外れないのは改善してほしいところだ。
3.5インチシャドウベイは、着脱可能な3.5インチHDDケージとなっている。3.5インチHDDケージには、振動や衝撃を吸収するインシュレーターが装着されており、付属の専用ネジを使ってHDDを固定する。
2.5インチベイは5インチベイの側面(正面向かって左側)に用意されている。2.5インチベイも着脱できるので、SSDを取り付ける際には、まず2.5インチベイを外してからSSDを2.5インチベイに取り付けるほうが楽だ。
電源ユニットも通常と異なり、天面からネジで固定して取り付ける。また、電源ユニットが落ちたり揺れたりしないように、固定用ストラップも付属している。
内部の空間が広いので、マザーボードに長さ約27cmのGeForce GTX 275を装着しても、底面ファンとのクリアランスは十分だ。なお、拡張スロットに接続するケーブル類は、天面パネルとシャーシの間のスペースを利用して後ろから引き出すようになっているが、DVI-D-Sub変換コネクタなどをビデオカードに装着すると、高くなりすぎてしまい、トップカバーが閉まらなくなることがある。
なお、マザーボードベースのCPUソケット部分は、四角く切り抜かれており、バックプレート交換型タイプのCPUクーラーもマザーボードを取り付けたまま交換できるので便利だ。
Raven 2は、ユニークなマザーボードの配置によって、煙突効果による高い冷却性能を実現していることが魅力だ。多くの工夫やギミックが詰め込まれたケースながら、実売1万9000円前後という価格は、コストパフォーマンスも高いといえる。大きな透明窓を備えているので、光るパーツをふんだんに搭載したゲーミングPCを作りたいという人にも最適だ。
(次ページへ続く)
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