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長~く使える極上のPCケース2010 第5回

長~く使える極上のPCケース2010【その他オススメ編】

2010年06月04日 20時00分更新

文● 石井 英男

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正圧設計でホコリの侵入を防ぐ

 Raven 2の材質はスチールであり、外装には樹脂が使われている。Raven 2は、初代Ravenと同じく、正圧設計を採用していることが特徴だ。正圧とは、ケース内部の気圧が外部の気圧よりも高く保たれていることで、反対が負圧となる。正圧を実現するには、吸気ファンからの風量が排気ファンからの風量よりも大きくなるように設計すればよい。ケース内部が正圧になっていると、隙間からホコリが入りにくくなり、ビデオカードなどの冷却効率も向上する。
 Raven 2では、吸気ファンとして底面に18cmの大型ファンを3基も搭載。このファンは、回転数を700rpmと1000rpmの2段階で切り替えられるようになっている。排気ファンとしては、天面に12cmファンを1基搭載している。

天面。マザーボードを90度回転させて取り付ける構造になっているので、天面に拡張スロットが出てくる。天面には、排気用の12cmファンが搭載されている。また、拡張スロットの数は8つだ

右サイドパネルを外したところ。通常のケースとレイアウトが大きく異なる。拡張スロットは8本用意されている。底面には大型の18cmファンを3基搭載。拡張ベイは、5インチベイ×5、3.5インチシャドウベイ×3、2.5インチベイ×1という構成だ

底面の3基の18cmファンには、それぞれ独立したエアーフィルターが装着されており、内部へのゴミやホコリの侵入を防げる。エアーフィルターは引き出して、掃除ができる

底面の3基の18cmファンは、それぞれ回転数を1000rpm/700rpmの2段階に変更可能だ

 拡張ベイは、5インチベイ×5、3.5インチシャドウベイ×3、2.5インチベイ×1という構成だ。5インチベイのうち4つは、工具を使わずにドライブの着脱が可能なツールフリー仕様になっている。ただし、5インチベイのフロントカバーを外すには、後ろの穴にドライバーなどを斜めに差し込んで押し出す必要があり、かなり力を入れないと外れないのは改善してほしいところだ。
 3.5インチシャドウベイは、着脱可能な3.5インチHDDケージとなっている。3.5インチHDDケージには、振動や衝撃を吸収するインシュレーターが装着されており、付属の専用ネジを使ってHDDを固定する。
 2.5インチベイは5インチベイの側面(正面向かって左側)に用意されている。2.5インチベイも着脱できるので、SSDを取り付ける際には、まず2.5インチベイを外してからSSDを2.5インチベイに取り付けるほうが楽だ。

5インチベイのうち4つは、工具を使わずにドライブの着脱が可能なツールフリー仕様になっている

5インチベイに光学ドライブを装着したところ。ワンタッチロックを開いて、ドライブを差し込み、ワンタッチロックを押し込めばドライブが固定される

5インチベイのフロントカバーを外すには、後ろの穴からドライバーなどを斜めに差し込んで押し出す必要がある。やや不便なうえ、かなり力を入れないと外れないのが難点

5インチベイの下部には、3.5インチHDDケージが装着されている。3.5インチHDDケージは着脱可能。HDDケージを取り外すと、5インチベイを8つ利用できる

3.5インチHDDケージを取り出し、HDDを装着したところ。3.5インチHDDケージには、HDDの振動を吸収するためのインシュレーターが装着されており、専用のネジを使ってHDDを固定する

5インチベイの側面(正面向かって左側)に2.5インチベイが用意されている

2.5インチベイは取り外しが可能だ

2.5インチベイにSSDを取り付けたところ。5インチベイとサイドパネルの隙間にちょうど収まる

 電源ユニットも通常と異なり、天面からネジで固定して取り付ける。また、電源ユニットが落ちたり揺れたりしないように、固定用ストラップも付属している。
 内部の空間が広いので、マザーボードに長さ約27cmのGeForce GTX 275を装着しても、底面ファンとのクリアランスは十分だ。なお、拡張スロットに接続するケーブル類は、天面パネルとシャーシの間のスペースを利用して後ろから引き出すようになっているが、DVI-D-Sub変換コネクタなどをビデオカードに装着すると、高くなりすぎてしまい、トップカバーが閉まらなくなることがある。
 なお、マザーボードベースのCPUソケット部分は、四角く切り抜かれており、バックプレート交換型タイプのCPUクーラーもマザーボードを取り付けたまま交換できるので便利だ。

電源ユニットを固定するためのストラップが用意されている

電源ユニットを取り付けたところ。電源ユニットも通常のケースとは異なり、天面に取り付ける

マザーボードとGeForce GTX 275を装着したところ。長さ約27cmのGeForce GTX 275も余裕で装着できる

SLI環境でハイエンドビデオカードを複数枚装着しても、すぐ下の18cmファン×3からの吸気があたるので、冷却面については安心だ

マザーボードベースのCPUソケット部分は四角く切り抜かれており、バックプレート交換型タイプのCPUクーラーもマザーボードを装着したまま交換できる

 Raven 2は、ユニークなマザーボードの配置によって、煙突効果による高い冷却性能を実現していることが魅力だ。多くの工夫やギミックが詰め込まれたケースながら、実売1万9000円前後という価格は、コストパフォーマンスも高いといえる。大きな透明窓を備えているので、光るパーツをふんだんに搭載したゲーミングPCを作りたいという人にも最適だ。

(次ページへ続く)

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