9歳の少年に刺激されてプログラミングの道に
―― まず、プログラミングを始めたきっかけを教えてください。やはりMacやiPhoneを手にしてからですか?
Tehu そうですね。2008年8月、中1のときにiPhone 3G 8GBを買ってもらいました。Macは同じ年の12月ですね。それまではWindowsマシンを使ってましたが、ネットを巡回中にたまたまアップルのホームページを見つけて、その紹介ムービーをみたとき「Windowsと違うな」と感じて、貯めたお小遣いで即購入しました。Windowsがダメというわけじゃないけど、アップルはユーザーに対する心遣いというか気配りというか、エンターテインメント用としてサポートがしっかりしているなと思ったんですよ。
そうやって最初はiPhoneもMacも普通にユーザーとして使っていましたが、しばらく経ったときに、シンガポールの9歳の少年がiPhoneアプリを開発した※1というニュースが話題になったんです。それを知って、すごい人がいるもんだと思いつつ、自分にもできるんじゃないか、となって、2009年2月からプログラミングをやりはじめました。
でも、3月にはつまづきました(笑)。iPhoneアプリを作るには「Objective-C」という言語が必要なんですよ。でも、それを使いこなすには基本のC言語をやらないといけないんですね。それにつまづいて。
※1 シンガポールの9歳の少年 : リム ディン ウェン氏が、指先を使ったお絵かきアプリ「Doodle Kids」を開発して世界中の話題を呼んだ。一般のニュースとなったのは2009年2月頃
―― でも、そこで挫折せずに続けられたのは、どんな支えがあったんでしょう? また、カタチになったのはいつ頃ですか?
Tehu うーん、続けられたのは、やっぱりアップルのiPhoneのアプリの市場が大きくて、自分もぜひ作ってみたいっていう夢があったからだと思います。アプリが形になったのは6月くらいです。20本くらい途中でボツになって、ようやく「節分恵方計算機」というアプリが作れました。けっこうかかりましたね……。
―― 何も知らないところから4ヵ月でカタチにできるのは、すごい早いと思いますよ。ちなみに、アプリはどんなふうに作るんですか? アイデアからだったり、技術先行だったりすると思いますが。
Tehu 僕はアイデア先行だと思います。ネットの知り合いで中1の後輩にも言ってるんですけど、やっぱり自分が欲しいモノを作るというのが重要だと思ってます。日常生活で「こんなのがあったらいいのにな」というアイデアがわいたらすぐにメモしておいて、それをアプリで実現できないか考えるという流れです。学校でも、たまに授業中にアイデアを練ったりしてます(笑)。
―― なるほど。そうやって完成した「節分恵方計算機」ですが、iTunes App Storeに登録されたのは10月でしたね。完成後の4ヵ月間は、細かい修正にあてていた感じですか?
Tehu いえ、まずApp Storeに申請する方法を知らなかったんですよ。それを調べたりして時間がかかりました。そのうち、アプリを申請するには特別な入会が必要で、それに1万円くらいかかると分かって、親にお願いしたり……。それで申請が通って、あちらで公開されたのが10月1日でした。
この連載の記事
-
最終回
トピックス
アンサイクロペディア“中の人”が語る、ユーモアの難しさ -
第99回
トピックス
マスコミが報じない“カルト”を記事に 「やや日刊カルト新聞」 -
第98回
トピックス
「もし森ガールが森へ入ったら」アサイさんの超地道な努力 -
第97回
トピックス
死刑は必要? 冷静に考えるためのWeb資料室「刑部」 -
第96回
トピックス
NTT研究者が“錯覚”サイトにかける純粋な感情 -
第95回
トピックス
ネットの「熱さ」、現代アートに――藤城嘘とカオス*ラウンジ -
第94回
トピックス
諸君!革命的美人ブロガー安全ちゃんに刮目せよ! -
第93回
トピックス
探検コムの「広く浅く」が深すぎる! -
第92回
トピックス
金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い! -
第91回
トピックス
「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る -
第90回
トピックス
電子書籍を紙で売る! 「コトリコ」挑戦への道 - この連載の一覧へ