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Azureの隠れた力「ブランド力」にも注目すべき

ベンチャー企業がAzureする、これだけの理由

2010年02月25日 09時00分更新

文● 吉川大郎/TECH.ASCII.jp

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クラウドで健康を管理
ジーズポートの「ゆがみーる」

 人間の全身写真を解析し、その人の体のゆがみを判定するアプリケーション「ゆがみーる」は、スポーツ分野、フィットネス分野、リラクゼーション、カイロ・整体などさまざまな場所で利用されている。同製品は、2008年マイクロソフト イノベーションアワードの最優秀賞を受賞している。

ジーズポートのブース(左)と、ゆがみーる(右)

 今後はWindows Azureに対応し、計測データをクラウド上において、クリニックなどでの活用を図っていきたいという。身体というきわめてプライベートなデータだけに、セキュリティ面での工夫も注目されるところだ。

SilverlightでSharePointを使いやすく
セカンドファクトリー

 セカンドファクトリーは、Microsoft SharePoint Server関連のソリューションを提供する企業だ。会場では、Windows Azureではなく、SharePoint Serverのユーザビリティを向上させるSilverlightのソリューション「KnowledgeGATEシリーズ」を展示していた。同シリーズは、アプリケーションランチャーやダッシュボード、UIテンプレートなどのほか、サーチ用のUIなどを製品として提供している。それぞれ、SharePointの機能やWebパーツを使いつつ、より見やすく使い勝手のいいUIを実現している。また、当然のことながらKnowledgeGATEシリーズをベースにしたカスタマイズ案件も請け負う。

KnowledgeGATEの検索製品である「KnowledgeGATE INTELLIGENT SEARCH」。検索機能自体はSharePoint Serverのものを使っているが、ファイルのダウンロードやブックマーク(「ストック」機能)、ファイル情報の詳細表示など、デフォルトのSharePoint ServerにはないUIを実現している。また、各ファイルは開くことなく中身を確認できるうえ、そのプレビュー画面にはDeep Zoomが使われているため、たとえばPower Pointの一連のスライドを全て表示することも、スライドの一部分を拡大表示することもスムーズに行なえる

Windows 7のタッチパネルで遊ぶ
Windows Azureで楽しむ

 フィジオスの「PHYZIOS Studio」は、物理演算シミュレーションを使った、純粋に遊び用のアプリケーションだ(関連記事)。ユーザーは、マウスかタッチパネルを使い、木や石、水、火などを画面上に“描く”。すると、それらの素材は物理法則通りの動作をする。高いところに水を描けば下に落ち、そこに火があれば水蒸気となり上に昇っていく。また、キャラクターも用意されていて、ユーザーが操作できるものや勝手に動き回るものなど、さまざまな属性を与えられている。ブースでは、Windows 7のタッチパネルを使ったアプリケーションが展示されていた。

フィジオスのブース(左)と、PHYZIOS Studio(右)

 PHYZIOS Studioは、iPhoneのアプリとしても人気があり、ユーザーが作成したさまざまな作品が公開されている。今後のビジネスモデルとしては、PHYZIOS Studioの世界の中で、キャラクターを展開させるなどといったパターンが挙げられるという。

 各ブースでベンチャーの方々の話を伺っていると、Windows Azureの移行性の高さやクラウドの価格的なインパクトも当然ながら、“マイクロソフト”というブランドと一体になった展開も大きなメリットととなっていることも分かった。Microsoft Tech・Days 2010全体を通して言えるのだろうが、マイクロソフトが長年はぐくんできた巨大な“エコシステム”が、.NETという回廊を渡ってクラウドの世界に民族大移動を開始した……今は、そんな時期なのかもしれない。

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