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マイクロソフト、SQL Server 2008の正式リリースは本年第3四半期に決定

2008年03月05日 02時08分更新

文● アスキービジネス編集部

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マイクロソフトは3月4日、「Windows SQL Server 2008 CTP 2月版」の新機能説明を行ない、あわせて、2008年の7~9月にRTM版をリリースすると発表した。


日本語UIに初めて対応し、コンプライアンス機能やBI機能を強化


 2月20日にリリースされた「Windows SQL Server 2008 CTP 2月版(以下、CTP 2月)」は、初めて日本語のUIを採用している。CTPとはCommunity Technology Previewの略で、製品リリース前に一部のユーザーやパートナー企業が使用できる評価版。通常のβ版に比べて更新頻度が多い。CTP版のリリースは4回目の更新となる今回が最後となり、次回は2008年4~6月にWindows SQL Server 2008 RC版が提供される。また、マイクロソフトはいままで「2008年中に提供する」としか述べられていなかったRTM版が、「2008年7~9月にリリースされる」と正式に発表した。

 CTP 2月版は「コンプライアンス機能の強化」「大規模データウェアハウスの実現」「BI機能の強化」など、これまでのCTP版で積み残されていたWindows SQL Server 2008の新機能がすべて搭載された。

日本語UIに対応した Windows SQL Server 2008 CTP 2月版のイメージ画面(画面クリックで拡大)

日本語UIに対応した Windows SQL Server 2008 CTP 2月版のイメージ画面(画面クリックで拡大)

 まず、CTP 2月版ではコンプライアンス機能の強化として、「データ操作監査」の機能が追加された。この機能により、企業全体の監査レポートを一元管理し、従業員のデータの操作や閲覧状況を確認できるようになった。

 さらに、企業が大規模データウェアハウスを実現するための機能として、「データパーティション機能」が強化され、「データ圧縮機能」が搭載された。CTP 2月版のデータパーティション機能はウィザードの設定に従うだけで、パーティションの分割ができる。マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 斎藤泰行氏によると「以前のCTP版にもデータパーティション機能はあったが、設定が非常に複雑だった。ウィザードを搭載したことで、誰でも簡単に使えるようになった」と述べる。また、CTP 2月版のデータ圧縮機能には「ページ圧縮」が採用されている。ページ圧縮はデータベース内のページ単位で重複しているパターンを検出し、圧縮する。たとえば、「20070609」「20070610」「200706011」……、と8桁の番号がデータベースに存在していたとする。ページ圧縮では最初の6桁の「200706」が同じであれば、その6桁に[1]という番号をあてる。すると、データは「[1]09」「[1]10」「[1]11」……、と表示され、圧縮される。同じように他の部分でもページ内で重複している数値や文字列に[2][3][4][5]……、と番号をあてはめることで、「最大7倍、平均で3倍のデータ圧縮が可能」と斎藤氏は自信を見せる。

マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 斎藤泰行氏

マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 斎藤泰行氏

マイクロソフト サーバプラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 エグゼクティブプロダクトマネージャ 斎藤泰行氏

 また、CTP 2月版ではBI機能の強化されており、新たに「Reporting Services」と「Data Mining Add-ins for Office」という機能が搭載された。Reporting ServicesはExcel 2007のような3Dのグラフやゲージ形式でWebリポートを表示し、売上げの達成率などが一目で分かるようになる。Data Mining Add-ins for Officeは、Excelデータで集計された企業の数値を元にデータ分析を行ない、将来を予測するBI機能。たとえば、顧客の購買動向を分析する「バスケット分析」という機能がある。これを使って、居酒屋のオーダーメニューの組み合わせを分析すると、「焼酎ボトル」を頼んだ人は「アサリの酒蒸し」を頼みやすいといったオーダーの傾向が分かる。同機能は外食業のメニュー提案や流通業の売り場づくりに活用することができる。

 斎藤氏は「SQL Server 2008の全ての新機能は、ミッションクリティカルなシステムが求められる金融機関で多く採用されているSQL Server 2005をベースに開発されているため、高いレベルでの信頼性を実現している」と述べた。

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