萌え系イラストを描いてみたのは
「自分に足りないものだったから」
―― 本業はデザイン系のお仕事と伺いました。
なぎみそ そうですね。アニメとか作ってるわけじゃないんですけど、デザイン系ではありますね。
―― 「なぎみそ」名義で仕事もされてますけど、プロの専業イラストレーターとしてやっていこうというわけではない?
なぎみそ プロでもなく、素人でもなく。中途半端なところが責任を負いづらくてちょうどいいじゃないですか。
―― なるほど、楽しみながらも出来るし。
なぎみそ そうですね。でも、そのうちどちらかに行かねばというプレッシャーはあります。
―― 本業とは別に始めたわけは?
なぎみそ 昔は萌え系みたいなのは、どうも馴染めなかったんです。それをやってみようということで、「なぎみそ」で始めました。
―― 馴染めなかったというのは。
なぎみそ うーん……馴染めなかったというか、自分で萌え系を描いてみても、ニセモノにしか見えなかったんですよ。それを理解するためには本腰入れてやらなきゃなというのがあって。やってみたらハマったんです。
―― 「萌え」そのものが嫌いだったというわけではなく?
なぎみそ いや、見るぶん、読むぶんには好きでしたよ。好きでしたけど、自分では上手く描けないので、コンプレックスも手伝ってか、そんなにどっぷりという感じではなかったです。
―― それまではどんな絵を描いてたんですか。
なぎみそ 古くさい、いまどきウケの悪い絵を描いてました。作品を見てもらうと、今でもその片鱗は分かると思うんですよね。いまいち垢抜けないかんじというか……。
―― 影響を受けていると思う作家などはいますか?
なぎみそ やっぱり大友克洋さんですね。おじさんなんで、やや昔よりの作家さんに影響を受けてます。
―― なのに、なぜ萌えを勉強しようと?
なぎみそ やっぱりデザインやってたら、そこは無視できないですよね。
―― それは本業の仕事上ですか?
なぎみそ あんまりこういうことを言うと仕事で始めたみたいに思えちゃいますけど、単純に「自分に足りないもの」だったんです。それに、みんなで盛り上がってて楽しそうじゃないですか。
―― お祭りに参加したい気分ですかね。ニコ動は結構見られてたんですか?
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Hatsune Miku Orchestra |
なぎみそ 「HMO」(初音ミクオーケストラ)さんの動画から見始めましたね。当時のHMOさんはカバーが中心だったので、これは元々ある曲をカバーして遊ぶソフトだと思ってたんです。
その後irohaさんの「moon」や秦野Pさんの「月花ノ姫歌」を聞いて、オリジナル曲を作る文化があるんだっていうのを知って。そこからボーカロイドにハマリました。あんまりハマり過ぎて家族に迷惑かけてます、あはは……。